電動機は、計算した所要動力より大きく、いちばん近い定格出力を選びます。
吐出圧力と吐出量・全効率から、所要動力(kW)と電動機の出力
選び方
ダイキンの油圧講座は「一般的には、動力計算で算出した数値より大きいサイズで、一番近いサイズの電動機を選定します」としています。計算例の必要動力 3.2 kW なら、通常選定する電動機容量は 3.7 kW です。
このアプリは、切り上げる前の計算値(計算例なら 3.125 kW)より大きく、いちばん近い定格出力を「電動機の出力の目安」として表示します。計算値が定格出力とちょうど同じときは、1つ上の出力です。
電動機の定格出力の列
電動機の出力は kW で表します。ダイキンの油圧講座によると、元々は馬力(PS)で表していたので、kW の規格も馬力に合わせた数になっています。このアプリが使う定格出力の列は、建築研究所の資料(建築研究資料 No.187 第8章)にある高効率低圧三相かご形誘導電動機の定格出力 0.2〜160 kW で、ダイキンの表の 0.4〜15 kW と同じ並びです。
| 定格出力(kW) | 馬力(PS・ダイキンの表) |
|---|---|
| 0.2 | ― |
| 0.4 | 0.5 |
| 0.75 | 1 |
| 1.5 | 2 |
| 2.2 | 3 |
| 3.7 | 5 |
| 5.5 | 7 |
| 7.5 | 10 |
| 11 | 15 |
| 15 | 20 |
| 18.5 | ― |
| 22 | ― |
| 30 | ― |
| 37 | ― |
| 45 | ― |
| 55 | ― |
| 75 | ― |
| 90 | ― |
| 110 | ― |
| 132 | ― |
| 160 | ― |
同じ資料は、0.2〜37 kW の範囲には JIS C 4210(一般用低圧三相かご形誘導電動機)があるとしています。所要動力が 160 kW を超えるときは、このアプリは電動機の出力の目安を表示しません。メーカーのカタログで選びます。
所要動力と電動機の出力の目安の例
このアプリと同じ計算で、いくつかの条件の所要動力(切り上げ)と電動機の出力の目安を求めた例です。
- 7 MPa・2.5 L/min・全効率 70 % → 所要動力 0.42 kW → 電動機 0.75 kW
- 3.5 MPa・10 L/min・全効率 75 % → 所要動力 0.78 kW → 電動機 1.5 kW
- 7 MPa・20 L/min・全効率 80 % → 所要動力 3.0 kW → 電動機 3.7 kW
- 5 MPa・30 L/min・全効率 80 % → 所要動力 3.2 kW → 電動機 3.7 kW(ダイキンの計算例)
- 21 MPa・60 L/min・全効率 85 % → 所要動力 24.8 kW → 電動機 30 kW
1 kW 未満では 0.4 kW の次が 0.75 kW なので、0.42 kW のように 0.4 kW を少しでも超えると 0.75 kW になります。
50 Hz と 60 Hz で変わる所要動力
同じポンプと電動機でも、60 Hz では回転数が 60 ÷ 50 = 1.2 倍になり、吐出量も 1.2 倍になります。全効率が同じなら、所要動力も 1.2 倍です。ダイキンの「回転数と流量計算例」のポンプ(15 cm³/rev・4P・スリップ率 4 %)を 5 MPa・効率 80 % で使うと、次のとおりです。
| 項目 | 50 Hz | 60 Hz |
|---|---|---|
| 回転数(min⁻¹) | 1,440 | 1,728 |
| 吐出量(L/min) | 21.6 | 25.9 |
| 所要動力(kW) | 2.3 | 2.7 |
| 電動機の出力の目安(kW) | 3.7 | 3.7 |
東日本(50 Hz)で決めた電動機を西日本(60 Hz)で使うときは、吐出量と所要動力が増えることを確かめます。
確認すること
電動機の出力の目安は、定格出力の列から計算値より大きい出力を選んだだけの値です。ポンプのカタログの所要動力と電源周波数を合わせて、設計者が電動機を決めます。
出典
- ダイキン工業 油機事業部「よくわかる油圧講座 12 油圧使用単位と計算例」: 5-2 電動機の規格と選定(出力規格 kW と馬力 PS の表・3.2 kW → 3.7 kW)・4-3 回転数と流量計算例
- 建築研究所 建築研究資料 No.187「建築物の設備・機器のエネルギー効率に関する既存試験方法の調査」第8章 電動機(2017年9月): p.117 JIS C 4210 の範囲・p.124 高効率低圧三相かご形誘導電動機の定格出力
吐出圧力と吐出量・全効率から、所要動力(kW)と電動機の出力