説明

透水係数の計算例(吹田市の揚水試験の表と比べる)

吹田市の揚水試験の表の値を、このアプリの式で計算して比べます。

このアプリで計算する

揚水量と観測井2本の水位から透水係数と透水量係数

吹田市の資料(令和元年度 第1回 吹田市土壌・地下水汚染浄化対策等専門家会議 資料3)は、2号・3号揚水井戸の連続揚水試験で孔内水位が下がった観測井戸の水位と、揚水井戸からの距離を使い、チームの平衡式で透水係数を算定しています。同じ入力をこのアプリで計算し、表の値と比べます。

資料の条件

例 No.64 と A3(2号揚水井戸)

  1. Q = 32 m³/日 = 3.70×10⁻⁴ m³/s
  2. ln(r2 ÷ r1) = ln(95.7 ÷ 6.2) = 2.7367(= 2.3026 × log₁₀ 15.44)
  3. h2² − h1² = 5.79² − 5.31² = 5.328 m²
  4. k = 3.70×10⁻⁴ × 2.7367 ÷ (π × 5.328) = 6.06×10⁻⁵ m/s

表3-1 の透水係数は 6.09×10⁻⁵ m/sec です。

表の値と、このアプリの計算

観測井の欄は、上が揚水井戸に近い方(r1・h1)、下が遠い方(r2・h2)です。r は揚水井戸からの距離、h は難透水層からの水頭です。透水係数 k は、どれも ×10⁻⁵ m/s の数にそろえて並べます(表の 1.35E-04 m/sec は 13.5)。

2号揚水井戸(揚水量 32 m³/日・表3-1):

観測井r(m)h(m)表の k計算の k
No.64
A3
6.2
95.7
5.31
5.79
6.096.06
No.64
No.90
6.2
38.5
5.31
5.46
13.513.3
No.64
No.63
6.2
85.3
5.31
5.50
15.015.0
No.90
No.63
38.5
85.3
5.46
5.50
19.921.4

3号揚水井戸(揚水量 30 m³/日・表3-2):

観測井r(m)h(m)表の k計算の k
No.35
No.66
17.5
36.8
5.92
6.08
4.254.28

表の値と計算の値の違いは、組み合わせによって 0.3〜7.5 % です。表の水頭は cm まで(小数2桁)に丸めてあり、水頭の差 h2 − h1 が小さい組み合わせほど、その丸めの影響が大きくなるからです。たとえば No.90 と No.63 は水頭の差が 0.04 m しかなく、No.63 の水頭を 1 cm 高い 5.51 m にすると、透水係数は 2.14×10⁻⁴ から 1.71×10⁻⁴ に変わります。水頭を ±0.005 m の幅で動かすと、表のどの値もその幅の中に入ります。

揚水量を 22 L/分(31.68 m³/日)で読むと、No.64 と A3 の透水係数は 5.99×10⁻⁵ m/s です。3号揚水井戸の No.35 と No.66 は 4.28×10⁻⁵ m/s(表3-2 は 4.25×10⁻⁵)です。

組み合わせで値が変わる

2号揚水井戸の4つの組み合わせの透水係数は 6.09×10⁻⁵〜1.99×10⁻⁴ m/sec で、吹田市の資料は最大値・最小値と平均値(1.36×10⁻⁴)を並べ、「6.09×10⁻⁵〜1.99×10⁻⁴ m/sec 程度」としています。帯水層の厚さや透水性が場所によって違うと、どの2本を選ぶかで値が変わります。1つの組み合わせの値だけで決めず、組み合わせごとに計算して幅を見ます。

計算に使わなかった観測井

式は、2本の観測井が同じ帯水層の中にあり、その間で帯水層が続いていることを前提にしています。地質の断面図で帯水層のつながりを確かめてから、組み合わせを選びます。

出典

このアプリで計算する

揚水量と観測井2本の水位から透水係数と透水量係数