説明

溶接の入熱量のよくある質問(60 を掛ける理由・J/mm・kJ/cm)

60 を掛ける理由、kJ/cm と J/mm の換算、入熱が大きいときについてです。

このアプリで計算する

アーク電圧・溶接電流・溶接速度から、入熱(kJ/cm)

なぜ 60 を掛けるのですか

溶接電流 × アーク電圧 は1秒間の電気エネルギー(J/s)で、溶接速度は1分間に進む長さ(cm/min)だからです。60 を掛けて1分間の電気エネルギーにそろえ、1分間に進む長さで割ると、1 cm 当たりの入熱(J/cm)になります。日本溶接協会の例題(400 A・40 V・40 cm/min)で 60 を掛け忘れると 400 J/cm になりますが、正しくは 24,000 J/cm です。

kJ/cm と J/mm はどう換算しますか

1 kJ = 1,000 J、1 cm = 10 mm です。J/cm を 1,000 で割ると kJ/cm、10 で割ると J/mm です。例題の 24,000 J/cm は 24.0 kJ/cm、2,400 J/mm です。

入熱が大きいとどうなりますか

神戸製鋼所の技術資料は、一般的に入熱量は適正な範囲で小さいほど良好な機械的性能が得られ、大入熱で溶接すると溶接金属の引張強さ・吸収エネルギーがともに下がり、過大な入熱では熱影響部の組織が粗大化して衝撃値が悪くなることもあると説明しています。同じ開先なら、大入熱ではパス数が少なく、小入熱ではパス数が多くなります。日本溶接協会の解説は、入熱が大きいほど溶接部の冷却速度が小さくなるとしています。建築鉄骨の性能評価基準(別記2)が、鋼材と溶接材料の組み合わせごとに入熱の管理値を決めているのはこのためです。

溶接速度が分からないときは

そのパスを溶接した長さと、ストップウォッチで計った溶接時間から求めます(日建連 A-3-15)。計算の画面で「長さと時間から」を選ぶと、溶接長さ(cm)と溶接時間(秒)から溶接速度を求めて入熱を計算します。

ロボット溶接にも別記2 の管理値を使いますか

全国鉄骨評価機構の性能評価基準の別記2 は、ロボット溶接には適用しないとしています。ロボット溶接は、日本ロボット工業会による建築鉄骨溶接ロボットの型式認証条件に従います。入熱の式そのものは同じで、電流・電圧・溶接速度から計算できます。

温度チョークや示温塗料で入熱は分かりますか

分かりません。日建連の鉄骨工事Q&A は、不可逆の示温材では各パスのパス間温度や入熱量の確認はできないとしています。入熱は電流・電圧・溶接速度を測って求めます。

出典

このアプリで計算する

アーク電圧・溶接電流・溶接速度から、入熱(kJ/cm)