総損失水頭と立上がり高さの和が、配水管の水頭以下になる口径を選びます。
千葉市水道局の給水装置工事施行基準は、給水管の口径を次のことを考えて決めるとしています(2.2 給水管口径の決定 1 基本要件)。
- 配水管の最小動水圧 0.147MPa(1.5kgf/cm²)時においても、所要水量を十分供給できるもので、かつ経済性も考慮した合理的な大きさにする。
- 水理計算により決定し、分岐点から給水用具までの立上がり高さと所要水量に対する総損失水頭を加えたものが、配水管の最小動水圧時の水頭以下となるよう定める(図 2.2-1 水頭変化曲線: h′ + Σh < H)。
- 給水管の管内流速は、早くすると流水音が生じたり、ウォーターハンマーを起こしやすくなるので、2m/sec 以下に抑える。
- 湯沸器などのように最低作動圧力を必要とする給水用具がある場合は、最低必要圧力を考慮して設計する。
最小動水圧 0.147 MPa を水頭にすると、0.147 × 10⁶ ÷(9.8 × 10³)= 15.0 m です。
口径決定の手順
- 同時使用給水用具を設定し、各区間の所要水量を算定する。
- 区間口径を仮定する。
- 水理計算により、給水装置末端から各分岐点での所要水頭を算定する。
- 最終的に、給水装置全体の所要水頭が、配水管の最小動水圧の水頭以下となるよう仮定口径を修正して、口径を決定する。
手順は千葉市の基準の 2.2 2 口径決定の手順です。3 の水理計算で、口径 50mm 以下の区間の摩擦損失水頭をウエストン公式で求めます。量水器の口径は、所要水量に基づき、使用する量水器の使用適正範囲内で決定するとしています(表 2.2-1)。
計算例(八千代市の基準の決定例Ⅰ)
配水管の水圧 0.15 MPa(水頭 15.3 m)から分岐し、立上り 2.0 m の水栓に所要流量 0.40 ℓ/s を送る給水装置です。管延長は 5 m + 20 m + 2 m = 27 m で、口径 20mm のメータの直管換算長 6.5 m と水栓の 13.5 m を加えた全直管換算長は 47 m、有効水頭は 15.3 − 2 = 13.3 m です。八千代市上下水道局の給水装置設計施工基準は、口径を仮定して次の a か b の要件を確かめる方法を示しています。
- a の方法(仮定した口径で、所定の流量が得られるか): 口径 20mm・損失水頭 13.3 m・管の長さ 47 m で流れる流量は、式で 0.692 L/s です。基準は動水勾配 283 ‰ から流量図で 0.70 ℓ/s を読み、所要流量 0.40 ℓ/s より大きいので、口径 20mm を求める口径としています。
- b の方法(所定の流量を流したとき、損失水頭が有効水頭以下となるか): 口径 20mm・0.40 L/s・管の長さ 47 m の摩擦損失水頭は、式で 5.07 m(動水勾配 108 ‰)です。基準は流量図から 120 ‰ と読み、所要水頭を 5.6 m としています。どちらも有効水頭 13.3 m より小さい値です。
- 流速: 口径 20mm に 0.40 L/s を流すと 1.27 m/s で、千葉市の基準の 2m/sec 以下です。
同じ計算を口径 13mm で行うと、0.40 L/s の摩擦損失水頭は 36.53 m で有効水頭 13.3 m を超え、流速も 3.01 m/s です。口径 13mm では所要流量を流せないので、口径 20mm が求める口径です。
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計算の画面の「1つ細い口径・1つ太い口径」には、同じ流量(損失水頭から流量のときは同じ損失水頭)と管の長さで口径を替えた計算結果が並び、押すとその口径で計算します。「計算の内訳」には、口径 13〜50mm 全部の計算結果の表があります。流速が 2.0 m/s を超える口径は「✗ 超える」と表示します。