塗付け量は、1回に平らな面へ付く、薄める前の量です。
塗付け量は「1回あたり・薄める前・ロスなし」
公共建築工事標準仕様書(建築工事編)18.1.4(6)は、塗付け量を「平らな面に実際に付着させる塗料の標準量(一工程当たり)」とし、「塗料の標準量は、薄める前のもの」と決めています。仕様書の塗装の表(表18.3.1〜表18.12.1)の数は、どれも工程1つ分の kg/m² です。
関西ペイントのカタログ(セラMレタンDP など)は、この塗付け量について「塗装時に飛散したり、塗装用具や容器に残る分(ロス)を含んでいません」と書いています。発注する量を出すときは、ロスを別に見込みます。
メーカーごとの呼び方
同じ「1 m² に1回塗る量」でも、カタログによって名前が違います。
- 塗付け量(kg/m²/回): 公共建築工事標準仕様書と、それに合わせたカタログ(関西ペイント セラMレタンDP は 0.10、セラM DP 中塗は 0.14)。
- 使用量(kg/m²/回): 日本ペイントの製品情報(パーフェクトトップSi は 0.11〜0.17、水性パーフェクトシーラーは 0.10〜0.16)。
- 標準所要量(kg/m²/回): 関西ペイントの水性セラマイルドV(平滑面 0.12〜0.14)。
- 塗布量・標準塗布量: 一般にこの名前でも書かれます。
名前が違っても、単位が kg/m²/回(1回あたり)なら、この道具の塗付け量にそのまま打ちます。ロスを含むかどうかは、カタログの注記を見ます。
全部の回を合わせた量で書いてあるとき
仕上塗材(吹付けタイルなど)は、公共建築工事標準仕様書 表15.6.1 で「所要量」を使い、注5 に「表の所要量は、2回塗りの場合、2回分の使用質量を示す」とあります。このように全部の回を合わせた量が書いてあるときは、その数を塗付け量に打ち、回数を1にします。
幅のある数のどこを使うか
カタログの数には幅があります。関西ペイントの水性セラマイルドV は、平滑面で 0.12〜0.14、リシン面(粗い面)で 0.15〜0.20 kg/m²/回です。同じ塗料でも、素地が粗いと多く要ります。日本ペイントも「被塗物の形状、素地の状態、気象条件などで幅を生じ増減します」と書いています。
足りなくなると困る発注では、多い側の数で出すと足りなくなりません。少ない側と多い側の両方で出して、缶の数が変わるかを見ると決めやすくなります。
薄めるシンナー・水と、kg と L
塗付け量は薄める前の量なので、薄めるシンナーや水はこの量の外です。セラMレタンDP の希釈率は、はけ・ローラーで 0〜10%、エアレススプレーで 5〜10%(塗料用シンナーA)です。シンナーは塗料とは別に用意します。
缶の量が L(リットル)で書いてある塗料は、比重を掛けて kg に直してから打ちます。セラMレタンDP の塗料比重は 1.14(白)なので、16 kg セットは約 14.0 L です。
出典
- 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版(国土交通省大臣官房官庁営繕部): 18章 塗装工事 18.1.4(6)塗付け量の定義(p.248)・18.1.7 使用量からの塗付け量の推定・表18.3.1〜表18.12.1 の工程ごとの塗付け量・15章 表15.6.1 注5 仕上塗材の所要量(p.187)
- 関西ペイント セラMレタンDP カタログ: 塗付け量 0.10 kg/m²/回は公共建築工事標準仕様書の数値で、薄める前・ロス(飛散・塗装用具や容器に残る分)を含まない・16kgセット・塗料比重 1.14
- 関西ペイント セラM DP 中塗 カタログ: 塗付け量 0.14 kg/m²/回(はけ・ローラー・エアレス)・18kgセット
- 関西ペイント 水性セラマイルドV カタログ: 標準所要量(kg/m²/回)平滑面 0.12〜0.14・リシン面 0.15〜0.20(どちらも2回)・荷姿 16kg・4kg
- 日本ペイント パーフェクトトップSi 製品情報: 使用量 0.11〜0.17 kg/m²/回・1缶当たりの塗り面積 88〜136 m²/回/缶(15kg/缶)・荷姿 15kg・4kg
- 日本ペイント 水性パーフェクトシーラー 製品情報: 使用量 0.10〜0.16 kg/m²/回・1缶当たりの塗り面積 93〜150 m²/回/缶(15kgセット)
規格・仕様書・カタログの表は丸ごと載せていません。式と、要る数だけを引いています。