級と点検の項目と観測距離 S を入力すると、許容範囲と判定を表示します。
級と観測距離 S から、往復差・閉合差の許容範囲と判定
許容範囲の画面
「許容範囲」の画面では、1つの区間・環・路線の許容範囲を求め、観測から求めた較差・閉合差が許容範囲に入るかを判定します。
- 水準測量の級: 1級・2級・3級・4級・簡易から選びます。級を選ぶまでは計算しません。級によって許容範囲が何倍も違うためです(S = 1 km の往復観測値の較差は、1級 2.5 mm、4級 20.0 mm)。
- 点検の項目: 往復観測値の較差(第64条)・環閉合差(第68条)・既知点から既知点までの閉合差(第68条)・検測の2つの較差(第65条)から選びます。選んだ級の表にある項目だけが並びます。
- 観測距離 S: 片道の観測距離を km で入力します。
- 較差・閉合差(任意): 観測から求めた値を mm で入力すると、許容範囲内かを判定します。空欄なら許容範囲だけを表示します。
計算結果は、許容範囲(mm)を大きく表示し、その上に項目と級と条、下に使った式と観測距離 S を表示します。切り捨てる前の許容範囲と、同じ S での級ごとの許容範囲は「計算の内訳」で確かめられます。
点検計算の画面
「点検計算」の画面では、測量作業規程 第68条の点検計算のとおり、単位水準環ごとの環閉合差と、点検路線ごとの既知点から既知点までの閉合差を、何行でも並べて判定します。1行に、環番号・路線番号、種類(環閉合差か既知点から既知点までの閉合差か)、観測距離 S、閉合差を入力します。
行ごとに許容範囲と判定を表示し、上に何件のうち何件が許容範囲を超えているかを表示します。「計算の内訳」の表は、精度管理表に写す番号・距離・閉合差・許容範囲の並びです。許容範囲の画面で選んだ級は、画面の上の「点検計算」を押すと引き継がれます。
計算の例
2級水準測量で、観測距離 2 km の区間の往復観測値の較差が 6 mm だったときの計算結果です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 水準測量の級 | 2級水準測量 |
| 点検の項目 | 往復観測値の較差 |
| 式 | 5 mm√S |
| 観測距離 S(片道) | 2 km |
| 許容範囲(7.071 mm を切り捨て) | 7.0 mm |
| 観測した値 | 6 mm |
| 判定 | ○ 許容範囲内 |
同じ区間で較差が 8 mm なら、7.071 mm を超えるので許容範囲を超えています。第64条により、その区間を再測します。
3級水準測量で、観測距離 4 km の単位水準環の環閉合差が 25 mm のときは、許容範囲は 10 mm√S = 20.0 mm で、許容範囲を超えていると判定します。第68条により、再測を行う等の措置を講じます。
詳しい設定(観測距離の単位)
観測手簿の距離が m で書いてあるときは、「詳しい設定」で観測距離の単位を m にすると、m のまま入力できます。1,000 で割って km にしてから計算します。たとえば2級水準測量の往復観測値の較差で 1,200 m と入力すると、S = 1.2 km として、許容範囲は 5.4 mm です。
観測距離・較差・閉合差の欄には、初めの値を入れていません。入力していない数で計算結果が表示され、それに気づかないことを防ぐためです。
許容範囲の表示の桁と判定
許容範囲は小数第1位まで表示し、第2位以下は切り捨てます。測量作業規程には許容範囲の表示の桁の定めがないため、表示した値が本当の許容範囲より大きくならない向きにしています。判定は、切り捨てる前の値と比べます。
較差・閉合差は、許容範囲と等しいときは許容範囲内です(第64条・第68条は、許容範囲を「超えた」場合に再測等をするとしています)。1級水準測量で S = 1.96 km なら許容範囲は 2.5 mm√S = 3.5 mm で、較差 3.5 mm は許容範囲内です。
出典
級と観測距離 S から、往復差・閉合差の許容範囲と判定