説明

水準測量の往復差の許容範囲(往復観測値の較差)と再測

往復観測値の較差(往復差)の許容範囲と、超えたときの再測の決まりです。

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級と観測距離 S から、往復差・閉合差の許容範囲と判定

往復観測値の較差とは

1級〜4級水準測量の直接水準測量は、往路と復路の往復観測で行います。簡易水準測量は往復観測をしません(第63条第2項第二号「観測は、簡易水準測量を除き、往復観測とする」)。標尺は2本1組とし、往路と復路で標尺を交換し、測点数は偶数にします(同第三号)。水準点間の測点数が多いときは、適宜固定点を設け、往路と復路に共通して使用します(同第六号)。

往復観測値の較差は、水準点及び固定点によって区分された区間ごとに、往路で観測した高低差と復路で観測した高低差を比べた差です(第64条)。標準様式の精度管理表や付録6の計算式では「往復差」と書いています。

許容範囲

第64条第一号の表は、往復観測値の較差の許容範囲を、1級 2.5 mm√S・2級 5 mm√S・3級 10 mm√S・4級 20 mm√S としています。S は観測距離(片道、km 単位)で、その区間の片道の距離です。区間の観測距離が 0.5 km(500 m)のときの許容範囲は次のとおりです。

級式S = 0.5 km
1級水準測量2.5 mm√S1.7 mm
2級水準測量5 mm√S3.5 mm
3級水準測量10 mm√S7.0 mm
4級水準測量20 mm√S14.1 mm

区間が短いほど許容範囲は小さくなります。1級水準測量で S = 1.96 km の区間なら 3.5 mm です。

許容範囲を超えたときの再測

第64条は、1級〜4級水準測量の観測で、区間の往復観測値の較差が許容範囲を超えた場合は再測するとしています。1級水準測量と2級水準測量の再測は、同方向の観測値を採用しません(第64条第二号)。

例: 2級水準測量で S = 2 km の区間の許容範囲は 5 mm√S = 7.071 mm(表示 7.0 mm)です。較差 6 mm は許容範囲内、較差 8 mm は許容範囲を超えているので再測します。

往復差から求める1 km 当たりの標準偏差

測量作業規程の付録6(計算式)は、往復差から水準測量観測の標準偏差を求める式を定めています。

m0 = √( 1/4 × Σ(Ui2 ÷ Si)× 1/n )

m0 は 1 km 当たりの観測の標準偏差(mm)、Ui は各鎖部の往復差(mm)、Si は各鎖部の距離(km)、n は鎖部数です。標準様式の水準測量精度管理表(様式第1-3)には、「往復差から求めた全線の1 km 当たりの標準偏差」の欄があります。このアプリは、この標準偏差は計算しません。

出典

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級と観測距離 S から、往復差・閉合差の許容範囲と判定