水準測量の許容範囲と閉合差についての質問と回答です。
級と観測距離 S から、往復差・閉合差の許容範囲と判定
水準測量の許容範囲はどう計算しますか?
級と項目ごとの係数に、観測距離 S(片道、km 単位)の平方根を掛けます。2級水準測量の往復観測値の較差なら 5 mm√S で、S = 4 km のとき 5 × √4 = 10.0 mm です。
S は往復の距離の合計ですか?
片道です。測量作業規程の第64条・第65条・第68条の表は、どれも備考で「Sは観測距離(片道、㎞単位)とする」としています。
4級水準測量の許容範囲はいくつですか?
往復観測値の較差 20 mm√S、環閉合差 20 mm√S、既知点から既知点までの閉合差 25 mm√S です。検測(第65条)は1級・2級だけです。
簡易水準測量の閉合差の許容範囲はいくつですか?
環閉合差 40 mm√S、既知点から既知点までの閉合差 50 mm√S です。簡易水準測量は往復観測をしないので、往復観測値の較差の許容範囲はありません。
なぜ √S に比例するのですか?
観測の誤差が距離に応じて積み重なるためです。第69条は、直接水準測量の平均計算の重量を距離の逆数とし、直接水準測量と渡海(河)水準測量が混合する路線では標準偏差の二乗の逆数を重量としています。重量が距離の逆数なら標準偏差の二乗は距離に比例し、標準偏差は √S に比例します。
許容範囲とちょうど同じ値のときは?
許容範囲内です。第64条は「許容範囲を超えた場合は、再測する」、第68条は「許容範囲を超えた場合は、再測を行う等適切な措置を講ずる」としています。
許容範囲を小数第1位で切り捨てるのはなぜですか?
測量作業規程に表示の桁の定めがないため、表示した値が本当の許容範囲より大きくならない向きにしています。判定は切り捨てる前の値で行うので、読定単位(1級 0.1 mm、2級〜4級と簡易 1 mm)の観測値なら、表示の値と比べたときと同じ判定になります。
観測距離を m で入力できますか?
できます。「詳しい設定」で観測距離の単位を m にします。1,000 で割って km にしてから計算します。入力できる観測距離は 0 より大きく 1,000 km 以下です(入力の誤りを防ぐための範囲です)。
作業規程の準則と値は同じですか?
国土交通省の作業規程の準則(令和5年3月の改正の版)の第65条・第66条・第69条の表と、測量作業規程(農林水産省)の第64条・第65条・第68条の表は同じ値です。条の番号が1つずれています。
出典
級と観測距離 S から、往復差・閉合差の許容範囲と判定