仮囲い・距離の測り方・現況の騒音・dB の引き算などの質問です。
機械のパワーレベルと距離から、騒音レベルと合成値
仮囲いや防音壁の効果は入っていますか
入っていません。このアプリは、回折・地表面・空気の吸収による減衰を 0 として計算するので、仮囲いや防音壁があるときの騒音レベルは、計算した値より小さくなります。仮囲いの効果は、音源・仮囲いの上端・予測地点の位置関係で決まる行路差から、ASJ CN-Model 2007 の回折の式で求めます(札幌市の準備書・大阪市の評価書)。
大阪市の評価書は、仮囲いの材料の音響透過損失の目安を、一般の障壁や防音パネルを仮設物として設置した場合 20 dB、防音シートを隙間ができないように設置した場合 10 dB としています(日本音響学会の ASJ CN-Model 2007 から)。音響透過損失が小さいと、回折した音のほかに、仮囲いを通り抜ける音も効きます。
距離は、どこからどこまでを測りますか
機械(音源)から予測地点までの直線距離です。札幌市・大阪市・高松市の資料は、音源の高さを地上 1.5 m としています。予測地点の高さは、高松市の評価書が地上 1.2 m、大阪市の評価書が地上 1.2 m と騒音が最大となる高さとしています。環境省 九州地方環境事務所のセミナー資料(第2日)も、予測地点は敷地の境界線上の地上 1.2 m に置かれることが多いとしています。高さの差が大きいとき(高い所の作業など)は、水平の距離と高さの差から直線距離を求めて入力します。
建設機械は工事の範囲を動きながら作業するので、環境影響評価の資料では、予測地点にいちばん近い位置に機械を置いたり、工事の範囲を区切って音源を並べたりしています(大阪市・高松市)。
今の騒音(現況の騒音レベル)と合わせるには
合成の式で合わせます。高松市の評価書は、建設機械の寄与分 60 dB と現況の 43 dB を合成して 60 dB(計算すると 60.1 dB)としています。このアプリの行は、パワーレベルと距離から騒音レベルを求める形なので、現況の騒音レベルと合わせるときは「騒音の合成の計算式」のページの式かエクセルの式を使います。
1台を止めたら何 dB になりますか(dB の引き算)
合成の式を逆に使い、L' = 10 log10(10^(L/10) − 10^(Li/10)) で求めます。60 dB と 50 dB の合成(60.4 dB)から 50 dB を除くと 60.0 dB に戻ります。使い方のページの3台の例(73.0 dB)では、いちばん大きいバックホウ(70.0 dB)を止めると 70.0 dB で、残りの2台(67.5 dB と 66.5 dB)を合成した値です。このアプリでは、その機械の行を消すと、残りの機械の合成を表示します。
等価騒音レベル・実効騒音レベル・LA5 は何が違いますか
等価騒音レベル(LAeq)は、ある時間の騒音レベルのエネルギー平均で、騒音に係る環境基準の評価量です。実効騒音レベル(LAeff)は、定義式は等価騒音レベルと同じで、建設作業のような限られた時間の値です。LA5 は、測定時間の 5% の時間で超えている値(90 パーセントレンジの上端の数値)で、不規則かつ大幅に変動する騒音を特定建設作業の規制基準と比べるときの評価量です。土木技術資料(杉谷・山元)は、LA5 と等価騒音レベルは別物であることに注意が必要としています。
小数は、どう丸めればよいですか
このアプリは小数第1位に四捨五入して表示し、85 dB との比べもその値で行います。環境影響評価の資料は整数で書くことが多く、札幌市の準備書は「52 (51.8)」のように整数と小数第1位を並べています。音響パワーレベルの測定値は、小数点以下第一位を四捨五入した整数です(告示第1537号)。
道路を走る車の騒音にも使えますか
使えません。道路交通騒音は、車の走る位置を細かく区切って音源を並べ、日本音響学会の ASJ RTN-Model で等価騒音レベルを予測します(札幌市の準備書の工事用車両の予測など)。このアプリは、建設機械のように点音源と見なせる機械の騒音を、機械ごとに求めて合成するためのものです。
出典
- 環境影響評価書 6.5.4 騒音(大阪市): 表 6.5.21 音響透過損失の目安・音源と予測地点の高さ
- 環境影響評価準備書 第7章 7-1-2 騒音(札幌市): 回折の補正・音源の高さ 1.5 m・工事用車両は ASJ RTN-Model
- 環境影響評価書 6.2.2 騒音(高松市): 現況との合成・予測高さ 1.2 m・音源の配置
- 環境アセスメントにおける定量的予測手法に関するセミナー(騒音予測編)第2日 配布資料(環境省 九州地方環境事務所・2016年): 予測地点は敷地の境界線上の地上 1.2 m が多い
- 建設機械の稼動に係る騒音・振動・降下ばいじんの予測手法(土木技術資料 51-6・杉谷康弘・山元弘・2009年): LA5 と等価騒音レベルは別物
- 建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方法(平成9年 建設省告示第1537号・国土交通省): 音響パワーレベルは整数に四捨五入
機械のパワーレベルと距離から、騒音レベルと合成値