説明

騒音の距離減衰の計算式(点音源 LA = LWA − 8 − 20 log10 r・距離が2倍で約 6 dB)

点音源の騒音は、距離が2倍になるごとに約 6 dB 小さくなります。

このアプリで計算する

機械のパワーレベルと距離から、騒音レベルと合成値

距離減衰の計算式

LA,i = LWA,i − 8 − 20 log10 ri

日本音響学会の建設工事騒音の予測モデル ASJ CN-Model 2007 に基づく式です。札幌市の環境影響評価準備書は、「道路環境影響評価の技術手法」が参考手法とする ASJ CN-Model 2007 に基づいてこの式を使い、大阪市の環境影響評価書も点音源モデルとして同じ形の式を使っています。資料の式には回折・地表面・空気の吸収による補正量が加わりますが、このアプリはどれも 0 として計算します。

8 と 20 log10 r の意味

音源から離れるほど、音が通る面の面積が大きくなるので、音の強さは小さくなります。これが距離減衰です。地面の上にある音源(半自由音場)では、音は半球の形に広がり、距離 r の半球の表面積は 2πr² です。パワーレベルから 10 log10(2πr²) を引くと、その距離の騒音レベルになります。

10 log10(2πr²) = 10 log10(2π) + 20 log10 r で、10 log10(2π) は 7.98… です。これを 8 としたのが式の 8 です。地面の無い空中(自由音場)では表面積が 4πr² になり、8 の代わりに 11(10 log10(4π) = 10.99…)を引きます。

環境省 九州地方環境事務所のセミナー資料は、半自由音場の点音源の式 L = LW − 8 − 20 log10 r を覚えていれば、環境影響評価のほとんどの騒音予測に対応できるとしています。国土交通省の建設機械の騒音の測定方法(平成9年建設省告示第1537号)も、測定面を仮想の半球として音響パワーレベルを求めます。

距離が2倍で約 6 dB 小さくなる

20 log10 2 は 6.02… なので、距離が2倍になるごとに騒音レベルは約 6 dB 小さくなります。距離が10倍なら 20 dB です。パワーレベル 104 dB の機械の例です。

距離
(m)
20 log10 r
(dB)
騒音レベル
(dB)
514.082.0
1020.076.0
2026.070.0
3029.566.5
5034.062.0
10040.056.0
20046.050.0

ある距離の騒音レベルが分かっているとき

パワーレベルが分からなくても、ある距離 r1 での騒音レベル L1 が分かっていれば、別の距離 r2 での騒音レベルは L2 = L1 − 20 log10(r2/r1) で求まります(宮城県「騒音の尺度」)。

宮城県の例は、空気圧縮機から 1 m の所で 90 dB のとき、30 m 離れた事業場の敷地境界では 90 − 29.5 = 60.5 dB です。このアプリの式で r = 1 m とすると LA = LWA − 8 なので、1 m で 90 dB の機械はパワーレベル 98 dB と同じです。パワーレベル 98 dB・距離 30 m を入力すると、宮城県の例と同じ 60.5 dB になります。

使える範囲と、計算しない減衰

この式は、発生源を点音源と見なせる場合の式です(宮城県)。機械の大きさに比べて十分に離れた所で使います。道路のように音源が線のように続くとき(線音源)は、距離が2倍で約 3 dB しか小さくならない別の式(10 log10 r の形)になり、道路交通騒音は ASJ RTN-Model で予測します。

回折(仮囲い・防音壁)・地表面・空気の吸収による減衰は、このアプリでは計算しません。札幌市の準備書は地表面と空気の音響吸収の補正量を 0 とし、大阪市の評価書は地表面の補正量を「計算による過剰な減衰を避けるため」0 としています。仮囲いや防音壁があるときの騒音レベルは、このアプリの値より小さくなります。

出典

このアプリで計算する

機械のパワーレベルと距離から、騒音レベルと合成値