特定主要構造部が耐火構造で内装が難燃材料なら、表の面積の数値を2倍にします。
規則第6条第2項の字
前項の規定の適用については、同項の表中の面積の数値は、特定主要構造部(建築基準法第二条第九号の二イに規定する特定主要構造部をいう。以下同じ。)を耐火構造とし、かつ、壁及び天井(天井のない場合にあっては、屋根)の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。)の仕上げを難燃材料(建築基準法施行令第一条第六号に規定する難燃材料をいう。以下同じ。)でした防火対象物にあっては、当該数値の二倍の数値とする。
2つの条件がどちらも要ります。特定主要構造部が耐火構造であることと、壁と天井の室内に面する部分の仕上げが難燃材料であることです。片方だけなら表の面積のまま(一般)で計算します。この字は令和6年4月1日からの物で、それより前は「主要構造部を耐火構造とし」でした(消防庁 消防予第120号の新旧対照表)。建築基準法の改正で、主要構造部の一部を耐火構造としない耐火建築物が建てられるようになったため、特定主要構造部が耐火構造なら同じ緩和を受けられるようにしたものです。
一般と耐火構造・内装難燃で比べた例
ヤマトプロテック「消火器実践設置教室」の耐火構造の例を、一般で計算した数と並べました。算定基準面積が2倍になるので、必要な能力単位はほぼ半分になります。
| 例 | 延べ面積 | 一般 | 耐火構造・内装難燃 |
|---|---|---|---|
| 倉庫 | 1,000 m² | 10 単位 | 5 単位 |
| 映画館 | 1,200 m² | 24 単位 | 12 単位 |
| 共同住宅(1,600 m² × 8 階) | 12,800 m² | 128 単位 | 64 単位 |
| 木材工場 | 5,000 m² | 50 単位 | 25 単位 |
面積を2倍にするか、能力単位を1/2にするか
条文は表の面積の数値を2倍にします。富山市消防局の計算例は、表の面積で除して切り上げてから「構造による緩和」として1/2にしています(1,550 ÷ 100 = 15.5 → 16 → 16 × 1/2 = 8)。このアプリは条文の順で 1,550 ÷ 200 = 7.75 → 8 単位とし、同じ 8 になります。
1/2 にしたあとも1未満の端数を切り上げるなら、2つの順はいつも同じ数になります(切り上げた数の半分を切り上げた数は、もとの数の半分を切り上げた数と等しい)。1,450 m² なら 1,450 ÷ 100 = 14.5 → 15 → × 1/2 = 7.5 → 8、条文の順では 1,450 ÷ 200 = 7.25 → 8 です。1/2 にしたところで切り上げずに次の計算へ進むと、数が少なく出ることがあります(「屋内消火栓設備などによる能力単位の減少」の「よくある間違い」)。
構造が分からないときや、内装の一部が難燃材料でないときは、「一般」で計算すると能力単位は多い側になります。
出典
- 消防庁「消防法施行規則及び排煙設備に代えて用いることができる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令の一部を改正する省令等の公布について」(消防予第120号・令和6年3月29日・新旧対照表=規則第6条第2項)
- 消防庁「消防の動き」2024年7月号「消防予第120号…等の概要」(特定主要構造部の規定の整備)
- 福岡市消防局「第1 消火器具」(消防用設備等の指導基準 各論・第1-1表と計算例)
- 富山市消防局「基準44 消火器具に関する基準」(富山市消防用設備等の運用基準 改訂第4版・計算例)
- 犬山市消防本部「消火器具 設置に係る審査基準」(表2・表3・表4と例)
- ヤマトプロテック「消火器実践設置教室」(消火器設置基準と設置計算の例)