説明

消火器の能力単位の計算方法(延べ面積 ÷ 算定基準面積)

必要な能力単位は、延べ面積を用途ごとの算定基準面積で除し、端数を切り上げて求めます。

能力単位とは

能力単位は、消火器具の消火能力を示す数値です。消火器は「消火器の技術上の規格を定める省令」第3条又は第4条に定める方法で測定した数値です(富山市消防局 基準44 1(15))。ラベルには「A-3」「B-7」のように書いてあります(ヤマトプロテック)。A は A火災(普通火災)、B は B火災(第4類の危険物と、可燃性固体類・可燃性液体類の火災)に対する能力単位です。

防火対象物に設置する消火器具は、その能力単位の数値の合計数が、延べ面積(防火対象物の部分なら床面積)を表の面積で除して得た数以上になるようにします(規則第6条第1項・犬山市消防本部の基準 5(1))。防火対象物の能力単位は、A火災の能力単位で数えます(富山市消防局 基準44-1表)。

計算式と算定基準面積

必要な能力単位 = 延べ面積 ÷ 算定基準面積(1未満の端数は切り上げ) 算定基準面積 = 表の面積(耐火構造・内装難燃は × 2)

表の面積(算定基準面積)は、用途を3つに分けて決まっています。特定主要構造部を耐火構造とし、壁と天井の室内に面する部分の仕上げを難燃材料でした防火対象物は、表の面積の数値を2倍にします(規則第6条第2項)。

防火対象物の区分(令別表第一)一般耐火構造・内装難燃
(1)項イ・(2)項・(16の2)項・(16の3)項・(17)項50 m²100 m²
(1)項ロ・(3)項〜(6)項・(9)項・(12)項〜(14)項100 m²200 m²
(7)項・(8)項・(10)項・(11)項・(15)項200 m²400 m²

表は福岡市消防局の第1-1表・松戸市消防局の第1-2表・犬山市消防本部の表3と同じ数です。(16)項(複合用途防火対象物)・(18)項〜(20)項は表にありません。

計算の例

例延べ面積 ÷ 算定基準面積必要な能力単位
(4)項 物品販売店舗(犬山市の例1)300 m² ÷ 100 m² = 33 単位
(3)項ロ 飲食店(福岡市の第1-1図)150 m² ÷ 100 m² = 1.52 単位
(12)項イ 工場(ヤマトプロテック)5,000 m² ÷ 100 m² = 5050 単位
(15)項 事務所900 m² ÷ 200 m² = 4.55 単位

飲食店 150 m² は 150 ÷ 100 = 1.5 で、1未満の端数を切り上げて 2 単位です。端数を切り捨てて 1 単位にすると、必要な数に届きません。

1未満の端数は切り上げ

能力単位の数値の1未満の端数は切り上げます(富山市消防局 基準44 4(1)・岡山市消防局・松戸市消防局の基準)。 鳥取県東部広域行政管理組合消防局の基準も、能力単位の数値の算定は1未満の端数を切り上げるとしています。福岡市消防局の計算例も「小数点以下は切り上げ」です。

複合用途防火対象物((16)項)の計算

複合用途防火対象物は、用途ごとの部分の床面積を、その用途の表の面積で除して計算します。犬山市消防本部の例2((16)項イ・延べ面積 500 m²)は、(3)項ロ 200 m² ÷ 100 = 2、(4)項 300 m² ÷ 100 = 3で、合計 5 単位です。

例3(耐火構造・難燃仕上げ)は、(4)項 300 m² ÷ 200 = 1.5、(15)項 300 m² ÷ 400 = 0.75で、犬山市消防本部は合算してから切り上げます(計 2.25 → 3 単位)。部分ごとに切り上げると 2 + 1 = 3 単位で、この例では同じ数です。部分ごとか合算してからかで数が変わるときは、所轄の消防本部の基準によります。この計算の画面は、用途を1つずつ計算します。

出典

能力単位を計算する