屋内消火栓設備などを設置すると、能力単位の合計数を 1/3 まで減少できます。
減少の決まり(令第10条第3項・規則第8条第1項)
第一項各号に掲げる防火対象物又はその部分に屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備又は粉末消火設備を次条、第十二条、第十三条、第十四条、第十五条、第十六条、第十七条若しくは第十八条に定める技術上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置したときは、同項の規定にかかわらず、総務省令で定めるところにより、消火器具の設置個数を減少することができる。
上は令第10条第3項です。総務省令で定めるところ(規則第8条第1項)により、消火設備の有効範囲内の部分は、消火器具の能力単位の数値の合計数を 1/3 まで減少できます(富山市消防局の計算例・犬山市消防本部 表2・松戸市消防局 第1-5表)。減少したあとの能力単位は、もとの数の 2/3 です。
- 消火設備の対象物に対する適応性が、設置する消火器具の適応性と同じときに限ります(犬山市消防本部 4(3)・松戸市消防局 6(1))。
- 減少できるのは、消火設備の有効範囲内の部分だけです。
- 防火対象物の11階以上の部分に設置する消火器具には、この減少を使えません(犬山市消防本部 表2・松戸市消防局 第1-5表)。
- 減少しても、歩行距離 20 m 以下の決まりは緩和されません(富山市消防局 3(3)・松戸市消防局 6(2))。
- 減少に使える設備を屋内消火栓設備とスプリンクラー設備に限る消防本部もあります(岡山市消防局 Ⅱ3)。 岡山市消防局は、屋外消火栓設備と動力消防ポンプ設備による減少も認めていません。
富山市消防局の計算例
物品販売店舗((4)項)・延べ面積 1,550 m²・耐火構造(内装制限有り)・屋内消火栓設備有りの例です。富山市消防局の基準は、用途面積による必要能力単位 1,550 ÷ 100 = 15.5 ≒ 16、構造による緩和 16 × 1/2 = 8、設備による緩和 8 × 2/3 = 5.33 ≒ 6 で、必要能力単位を 6 としています。
このアプリの計算も 6 単位です。減少したあとの 5.333 は、1未満の端数を切り上げます(5.33 を 5 にすると、減少できる 1/3 を超えて減らすことになります)。
よくある間違い(切り上げの順番)
同じ条件で延べ面積 1,450 m² の場合です。表の面積で除して切り上げ(15)、1/2 にしたところ(7.5)で切り上げずに 2/3 を掛けると 5 で、5 単位になります。
規則第6条の数(算定基準面積 200 m² で除して切り上げた 8 単位)を先に決めてから減少すると、8 × 2/3 ≒ 5.33 → 6 単位です。富山市消防局の基準は規則第6条の能力単位の数値の1未満の端数を切り上げるとしているので、減少の前に切り上げた数を使います。
大型消火器による減少
大型消火器の有効範囲内の部分は、能力単位の数値を 1/2 まで減少できます(犬山市消防本部 表2・松戸市消防局 第1-5表)。大型消火器は、能力単位が A火災に適応するもので 10 以上、B火災に適応するもので 20 以上の消火器です(岡山市消防局 Ⅰ(6))。この計算の画面は、大型消火器による減少を計算しません。