垂直積雪量と屋根勾配を入力すると、1 m² 当たりの積雪荷重と屋根形状係数を表示します。
垂直積雪量と屋根勾配から積雪荷重と屋根形状係数
入力する物
- 垂直積雪量(cm): 建設地の垂直積雪量です。特定行政庁が規則で定めた数値を入力します(建築基準法施行令 第86条第3項)。m で決まっている値は cm に直します(1.4 m なら 140)。
- 屋根勾配(度): 屋根の勾配を度で入力します。寸で入力するときは「詳しい設定」の「屋根勾配の単位」を「寸」に替えます(4寸なら 4)。
- 雪止め: 屋根に雪止めがあるときは「あり」を選びます。屋根形状係数を乗じない計算になるので、屋根勾配の欄は使いません。
- 屋根の水平投影面積(任意): 屋根を真上から見た面積(m²)です。入力すると、屋根全体の積雪荷重(kN)も表示します。
「詳しい設定」では、次の3つを選びます。初めは、一般の区域の 20 N/cm/m²・度・令第86条第4項の式です。
- 積雪の単位荷重: 「一般の区域(20 N/cm/m²)」か「多雪区域(値を入力)」。多雪区域を選ぶと、特定行政庁の規則で定めた単位荷重を入力する欄が表れます。
- 屋根勾配の単位: 度か寸。
- 屋根形状係数: 令第86条第4項の式で求めるか、特定行政庁が規則で定めた値を入力するか。値を入力するときは、屋根勾配の欄の代わりに屋根形状係数の欄が表れます。
表示する計算結果
- 積雪荷重(N/m²): 屋根の水平投影面積 1 m² 当たりの積雪荷重を、いちばん大きく表示します。下に、式に入れた単位荷重・垂直積雪量・屋根形状係数を並べます。
- 屋根全体(kN): 水平投影面積を入力したときに表示します。
- 屋根形状係数 μb と、屋根形状係数を乗じる前の積雪荷重: 勾配による低減は「することができる」規定なので、低減しない値も並べます。
- 多雪区域の組合せ: 多雪区域を選んだときは、長期の積雪時に使う 0.7S と、暴風時・地震時に使う 0.35S も表示します(建築基準法施行令 第82条第2号の表)。
- 割り増し係数の確認: 一般の区域で、垂直積雪量が 15 cm 以上・屋根勾配が 15° 以下のときは、緩勾配屋根の割り増し係数(平成19年国土交通省告示第594号)を確かめる一言を表示します。
- 計算の内訳: 単位荷重・S0・μb・S・屋根全体の式と途中の数、丸め方を表示します。
計算の例(垂直積雪量 30 cm・勾配 30°・水平投影面積 50 m²)
一般の区域で、垂直積雪量が 30 cm、屋根勾配が 30°、屋根の水平投影面積が 50 m² の場合をこのアプリで計算すると、次のとおりです。
| 項目 | 式 | 値 |
|---|---|---|
| S0(屋根形状係数を乗じる前) | 20 × 30 | 600 N/m² |
| μb | √cos(1.5 × 30°) | 0.8409 |
| S(積雪荷重) | 600 × 0.8409 | 505 N/m² |
| 屋根全体 | S × 50 m² | 25.23 kN |
1 m² 当たりの積雪荷重は 505 N/m²、屋根全体では 25.23 kN です。屋根形状係数を乗じる前の 600 N/m² は、国土交通省の資料の例(積雪 30 cm の場合 600 N/m²)と同じ数です。
入力できる範囲と表示の桁
垂直積雪量は 0 cm を超え 1,000 cm 以下、屋根勾配は 0〜90°(寸では 0〜100寸)、屋根形状係数は 0〜1、多雪区域の単位荷重は 0 を超え 100 以下、水平投影面積は 0 m² を超え 1,000,000 m² 以下で入力できます。垂直積雪量・単位荷重・面積の上限は法令の値ではなく、m の値を cm の欄に入力したときなどの誤りを止めるための、このアプリの範囲です。
計算は丸める前の値で行い、表示だけを丸めます。屋根形状係数は小数第3位(計算の内訳は小数第4位)、積雪荷重は N/m² の整数、屋根全体は kN の小数第2位に四捨五入します。法令に丸め方の決まりはありません。
入力欄には初めの値を設定していません。入力していない数で計算結果が表示され、それに気づかないことを防ぐためです。
このアプリで計算しない物
- 不均等な積雪: 屋根面の積雪量が不均等となるおそれのある場合は、その影響を考慮して計算します(建築基準法施行令 第86条第5項)。このアプリは、屋根に均等に積もった場合を計算します。
- 緩勾配屋根の割り増し係数: 積雪後の降雨を考慮した割り増し係数(平成19年国土交通省告示第594号 第2第三号ホ)は計算しません。対象になりそうなときに一言だけ表示します。
- 垂直積雪量そのもの: 建設地の垂直積雪量は、特定行政庁の規則で確かめて入力します。
構造計算の結果は、設計者・工事監理者が確かめてください。
出典
垂直積雪量と屋根勾配から積雪荷重と屋根形状係数