積雪荷重の計算でよく聞かれることに、条文と国土交通省の資料から回答します。
垂直積雪量と屋根勾配から積雪荷重と屋根形状係数
単位荷重 20 N は何 kg ですか
国土交通省の資料は、積雪量 1 cm ごとに 1 m² あたり 20 N を「約2kg重」、積雪 30 cm の 600 N/m² を「約61kg重/㎡」としています。1 kg 重は約 9.8 N です。法令の単位は N(ニュートン)なので、このアプリも N/m² と kN で表示します。
屋根の面積は、屋根面の面積ですか
いいえ。建築基準法施行令 第86条第1項は「屋根の水平投影面積」と定めています。屋根を真上から見た面積で、勾配に沿った屋根面の面積より小さくなります。このアプリの積雪荷重(N/m²)も、水平投影面積 1 m² 当たりの値です。
エクセルで計算するには
単位荷重が B1、垂直積雪量(cm)が B2、勾配(度)が B3 のセルにあるとき、1 m² 当たりの積雪荷重(N/m²)は「=B1*B2*SQRT(COS(RADIANS(1.5*B3)))」です。COS は角度をラジアンで受け取るので、RADIANS で度から直します。勾配が 60° を超えると COS が負になり、SQRT が計算できないので、その範囲は別に扱います。20・30・30 を入れると 504.54 です。
勾配の緩い大きな屋根の割り増し係数とは
平成26年2月の大雪では、直後に雨が降ったことで、体育館などの勾配の緩い大きな屋根の崩落や、カーポートの倒壊などの被害が発生しました(国土交通省の報道発表)。これを受けて平成19年国土交通省告示第594号が改正され、第2第三号ホが加わりました(平成30年1月15日公布・平成31年1月15日施行)。次の屋根の部分は、令第86条の積雪荷重に割り増し係数を乗じて計算します。
- 多雪区域以外の区域(垂直積雪量が 0.15 m 以上の区域に限る)にある建築物
- 屋根版を鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造としたものを除く
- 屋根勾配が 15 度以下で、最上端から最下端までの水平投影の長さが 10 m 以上の屋根の部分(特定緩勾配屋根部分)
| 水平投影の長さ | 屋根勾配 | dr |
|---|---|---|
| 10 m | 2 度以下 | 0.05 |
| 10 m | 15 度 | 0.01 |
| 50 m 以上 | 2 度以下 | 0.14 |
| 50 m 以上 | 15 度 | 0.03 |
表の間の長さと勾配は、直線的に補間します。屋根面に雨水が滞留するおそれのある場合は、その影響を考慮した数値にします(同号ホ)。国土交通省の資料は「棟から軒までの長さ25m、勾配2度、垂直積雪量30cm(埼玉県等)の場合、約1.25倍の割増係数となる。」としています。このアプリは割り増し係数を計算しませんが、一般の区域で勾配 15° 以下・垂直積雪量 15 cm 以上のときは、確かめる一言を表示します。
屋根の雪が偏って積もるときは
屋根面における積雪量が不均等となるおそれのある場合は、その影響を考慮して積雪荷重を計算しなければなりません(建築基準法施行令 第86条第5項)。このアプリは、屋根に均等に積もった場合の積雪荷重を表示します。
計算結果を丸める決まりはありますか
法令に丸め方の決まりはありません。このアプリは丸める前の値で計算し、積雪荷重を N/m² の整数、屋根全体を kN の小数第2位、屋根形状係数を小数第3位に四捨五入して表示します。計算の内訳では、確かめやすいように屋根形状係数を小数第4位まで表示します。
出典
垂直積雪量と屋根勾配から積雪荷重と屋根形状係数