多雪区域では、特定行政庁が単位荷重を定め、長期の積雪時にも積雪荷重を見込みます。
垂直積雪量と屋根勾配から積雪荷重と屋根形状係数
多雪区域の単位荷重
積雪の単位荷重は 1 cm ごとに 1 m² につき 20 N 以上ですが、特定行政庁は、国土交通大臣が定める基準に基づいて多雪区域を指定し、その区域について異なる定めをすることができます(建築基準法施行令 第86条第2項ただし書)。国土交通省の資料は、多雪区域を「垂直積雪量が1m以上の区域等」と説明しています。
札幌市・山形県・滋賀県・兵庫県(但馬管内のページ)は、多雪区域の単位荷重を 30 N/cm/m² 以上としています。松江市は、垂直積雪量に応じた次の表の数値以上とし、中間値は直線的に補間するとしています。
| 垂直積雪量 | 単位荷重(N/cm/m²) |
|---|---|
| 100 cm | 20 |
| 150 cm | 28 |
| 200 cm | 30 |
| 250 cm | 32 |
| 300 cm | 33 |
| 400 cm 以上 | 35 |
長期の 0.7S と、暴風時・地震時の 0.35S
建築基準法施行令 第82条第2号の表では、多雪区域の場合に限り、長期に生ずる力の積雪時に G + P + 0.7S、短期に生ずる力の暴風時に G + P + 0.35S + W、地震時に G + P + 0.35S + K を使います。一般の場合は、積雪を短期の積雪時(G + P + S)だけで見込みます。
このアプリで多雪区域を選ぶと、1 m² 当たりの積雪荷重 S に 0.7 と 0.35 を乗じた値も表示します。札幌市(30 N・1.4 m)の勾配 25° なら、S 3,741 N/m²・0.7S 2,619 N/m²・0.35S 1,309 N/m² です。
雪下ろしによる低減と表示
雪下ろしを行う慣習のある地方では、垂直積雪量が 1 m を超える場合でも、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を 1 m まで減らして計算できます(建築基準法施行令 第86条第6項)。減らして計算した建築物には、出入口・主要な居室などの見やすい場所に、軽減の実況などを表示しなければなりません(同条第7項)。
このアプリでは、減らした垂直積雪量を入力します。単位荷重 30 N で 1 m(100 cm)に減らすと、屋根形状係数を乗じる前の積雪荷重は 3,000 N/m² です。
この低減を使えない地域もあります。兵庫県 但馬管内のページは「管内では、建築基準法施行令第86条第6項に規定されている、雪下ろしの慣習のある地域における垂直積雪量の低減は使用できません。」としています。低減を使うときは、特定行政庁の規則と運用を確かめてください。
出典
垂直積雪量と屋根勾配から積雪荷重と屋根形状係数