同じ冷房能力でも、風量が多いほど吹出しの温度差は小さくなります。
風量と温度差は反比例
温度差の式 q = 0.33 × V × Δt は、温度差について解くと Δt = q ÷(0.33 × V)です。同じ冷房能力(顕熱)なら、風量が多いほど吹出しの温度差は小さく、風量が少ないほど温度差は大きくなります。JEHC104 は空調機器の容量を算出するとき、この形で必要冷房吹出温度差 ⊿tc を求め、室内の温度から引いて吹出温度を決めています(全外気式空調機は解説編 p.17 の手順4、一般空調機は p.20 の手順6)。
例: 顕熱 12,350 W を風量ごとに
JEHC104 の計算例の室内負荷(顕熱)は、余裕を見込んだあとで 12,350 W、冷房の室内は 25.0 ℃ です。この数値を上の式に代入して、風量ごとの吹出温度差と吹出温度を求めると次のとおりです(このページを作るときに計算した数値で、指針の表の数値ではありません)。
| 風量(m³/h) | 吹出温度差(K) | 吹出温度(℃) |
|---|---|---|
| 4,000 | 9.36 | 15.6 |
| 6,790 | 5.51 | 19.5 |
| 9,000 | 4.16 | 20.8 |
計算例の給気量 6,790 m³/h なら、吹出温度差は 5.51 K です。逆に、計算の画面で風量 6,790、吸込み 25.0、吹出し 19.49 と入力すると、冷房能力(顕熱)は 12.35 kW に戻ります。
厨房の指針の目安(8 ℃・17 ℃)
JEHC104 は業務用厨房の空調について、全外気式空調機の必要冷房吹出温度差 ⊿tc が 8 ℃ を超えるときは補助空調機の設置を検討するとしています。また、吹出温度が厨房の設計温湿度条件より著しく低くなり、吹出しで結露のおそれがあるとき(吹出温度の目安 17 ℃ 以下)は、外気処理空調機と一般空調機に分ける方式を検討するとしています。どちらも厨房の空調の指針の目安で、ほかの用途の決まりではありません。
m³/min と m³/h
風量は m³/min で書いた資料もあります。1 時間は 60 分なので、m³/min に 60 を掛けると m³/h です。温度差 10 ℃ の冷房能力(顕熱)を、m³/min の風量ごとに求めると次のとおりです。
| 風量(m³/min) | 風量(m³/h) | 冷房能力(顕熱・kW) |
|---|---|---|
| 10 | 600 | 1.98 |
| 20 | 1,200 | 3.96 |
| 30 | 1,800 | 5.94 |
| 40 | 2,400 | 7.92 |
出典
- 一般社団法人 日本エレクトロヒートセンター「業務用電化厨房施設の空調設備設計指針 JEHC104-2007」(2007年7月31日 制定・2019年2月1日 改定)(解説編 p.13 表10・p.16〜21 手順4・手順6)