JPt100 との違いと、許容差・規定電流・使用温度範囲です。
JPt100 は別の規格
JPt100 は、1989 年より前の JIS で Pt100 と呼んでいた測温抵抗体です。1989 年の JIS 改正で IEC 規格に合わせた今の Pt100 を決めたとき、市場の混乱を防ぐために JPt100 の記号で残され、1997 年の改正で廃止されました(キーエンス「測温抵抗体の基礎」)。
100 ℃と 0 ℃の抵抗値の比 R100/R0 は、Pt100 が 1.3851、JPt100 が 1.3916 です(山里産業・キーエンス)。0 ℃はどちらも 100 Ω ですが、ほかの温度では抵抗値が違います。JPt100 の値はチノーの抵抗値表(JIS C1604-1989 より抜粋)から写しました。
| 温度(℃) | Pt100(Ω) | JPt100(Ω) | 差(Ω) |
|---|---|---|---|
| −100 | 60.26 | 59.57 | −0.69 |
| 100 | 138.51 | 139.16 | 0.65 |
| 200 | 175.86 | 177.13 | 1.27 |
| 300 | 212.05 | 213.93 | 1.88 |
| 400 | 247.09 | 249.56 | 2.47 |
| 500 | 280.98 | 284.02 | 3.04 |
JPt100 の 100 ℃(139.16 Ω)を Pt100 として換算すると 101.73 ℃で、約 1.7 ℃高く読みます。古い設備の計器や測温抵抗体は、どちらの規格か確かめます。このアプリは Pt100・Pt1000 の式だけで、JPt100 は計算しません。
許容差(クラスA・クラスB)
測温抵抗体の温度に対する許容差は、JIS でクラスごとに決められています(JIS C 1604-1997 の抜粋・山里産業、キーエンス)。|t| は、+と−の記号に関係しない測定温度(℃)です。
| 温度(℃) | クラスA(℃) | クラスB(℃) |
|---|---|---|
| −200 | ±0.55 | ±1.30 |
| −100 | ±0.35 | ±0.80 |
| 0 | ±0.15 | ±0.30 |
| 100 | ±0.35 | ±0.80 |
| 200 | ±0.55 | ±1.30 |
| 300 | ±0.75 | ±1.80 |
| 400 | ±0.95 | ±2.30 |
| 500 | ±1.15 | ±2.80 |
許容差を抵抗値で見るときは、その温度の感度を掛けると目安になります。例: 100 ℃のクラスB ±0.80 ℃は、Pt100 の感度 0.3793 Ω/℃を掛けて約 ±0.30 Ωです。JIS C 1604:2013 には、許容差のクラスと、許容差を適用する温度範囲の決まりがあります(5 許容差)。使う測温抵抗体のクラスと範囲は、仕様書で確かめてください。
規定電流と自己加熱
JIS の規定電流は 0.5 mA・1 mA・2 mA です(キーエンス・山里産業)。測温抵抗体は流した電流のジュール熱で自分も温まり(自己加熱)、その影響は規定電流の2乗に比例します。仕様に書かれた規定電流で測れば、自己加熱の心配はありません(キーエンス)。
使用温度範囲による区分
JIS C 1604-1997 は、使用温度範囲で低温用(L・−200〜100 ℃)、中温用(M・0〜350 ℃)、高温用(H・0〜650 ℃。シース測温抵抗体と JPt100 は 500 ℃)に分けています(山里産業)。計算の画面の −200〜850 ℃は規準抵抗値表の範囲で、測温抵抗体を使える温度ではありません。