法長 = 直高 × √(1 + n²)の式と、法長係数の求め方です。
法長・直高・水平距離の関係
法面を横から見た断面は、直高(縦)・水平距離(横)・法長(斜め)の直角三角形です。法勾配 1:n は、直高 1 に対して水平距離が n であることを表します。三平方の定理から、直高 1 に対する法長は √(1 + n²)です。
水平距離 = 直高 × n
法長係数
直高 1 m あたりの法長を法長係数と呼びます。法長係数 = 法長 ÷ 直高 = √(1 + n²)で、法勾配だけで決まります。長野県の土木構造物標準設計図(第5編 参考編)の法勾配表は、一分(1:0.1)から三割(1:3.0)までの法長係数を小数第3位まで載せています(1:1.5 は 1.803、1:2.0 は 2.236)。
国土交通省の土木工事数量算出要領(1.2 数量計算方法)も、「構造物の計算に用いる角度は「分」までとし、円周率、法長、乗率、三角関数及び弧度は四捨五入して小数第3位とする」としています。このアプリは、初めの設定で法長係数をこの小数第3位(法勾配表と同じ桁)に四捨五入してから直高に掛けます。
| 法勾配 | √(1 + n²) | 法長係数 |
|---|---|---|
| 1:0.5 | 1.11803 | 1.118 |
| 1:1.0 | 1.41421 | 1.414 |
| 1:1.5 | 1.80278 | 1.803 |
| 1:1.8 | 2.05913 | 2.059 |
| 1:2.0 | 2.23607 | 2.236 |
計算の例
法勾配 1:1.5・直高 3.0 m の法長は、次の順に求めます。
- n² = 1.5 × 1.5 = 2.25
- 1 + n² = 3.25
- √3.25 = 1.80278…(小数第3位で 1.803)
- 法長 = 3.0 × 1.803 = 5.409 m
法長係数を丸めずに掛けると 5.408 m で、小数第3位が違います。直高が大きいほど差は大きくなり、直高 10 m・1:1.8 では 20.590 m と 20.591 m です。どちらの数を使うかは、計算書や図面で決めている方に合わせます。
電卓での計算
√ のキーがある電卓なら計算できます。1.5 × 1.5 + 1 = と押すと 3.25 になり、√ を押すと 1.80278… になります。そこに直高を掛けると法長です。法勾配表の法長係数を使うときは、表の値(1:1.5 は 1.803)に直高を掛けるだけです。
法長から直高・水平距離を求める
法長が分かっていて直高を知りたいときは、法長を法長係数で割ります。
水平距離 = 直高 × n
法長 9.0 m・1:1.5 なら、直高は 9.0 ÷ 1.803 = 4.992 m、水平距離は 4.992 × 1.5 = 7.488 m です。長野県の法勾配表には、法長に掛けて直高を求める「直高係数」と、水平を求める「水平係数」の列もあります。