住宅は延べ面積 130 m² を境に5人と7人、共同住宅は1戸当たり 3.5〜6人で見ます。
住宅(表 2イ)
JIS A 3302:2000 の表では、住宅(共同住宅を除く)は延べ面積 A が 130 m² 以下なら n=5、130 m² を超えると n=7 です。表の注には「この値は、当該地域における住宅の一戸当たりの平均的な延べ面積に応じて、増減できる」とあり、130 m² の境を地域で読み替える都道府県があります。三重県の表では、大台町と松阪市の旧飯高町の区域は 160 m²、熊野市・御浜町・紀宝町の区域は 165 m² を境にしています(平成25年12月13日現在)。
| 延べ面積 | 人員 | 日平均汚水量の目安 |
|---|---|---|
| 100 m² | 5 人 | 1,000 L/日 |
| 130 m² | 5 人 | 1,000 L/日 |
| 131 m² | 7 人 | 1,400 L/日 |
| 150 m² | 7 人 | 1,400 L/日 |
| 200 m² | 7 人 | 1,400 L/日 |
汚水量の目安は、岐阜県が公開している表の住宅の値(130 m² 以下 1,000 L/戸・日、130 m² を超える 1,400 L/戸・日)と同じで、1人1日 200 L に当たります(徳島県浄化槽施工マニュアルも住宅の汚水量を 200 L/人・日としています)。
1988年版の表は n=5+(A−100)÷30 で、延べ面積に応じて5人から10人まで変わる式でした。2000年版で5人と7人の2段になりました。
母屋と離れ・2世帯住宅(県の取扱いの例)
徳島県浄化槽施工マニュアルは、浴室・トイレ・台所がそろった建物を、それぞれ独立した住宅として算定するとしています(離れに浴室と台所しかない場合も独立した建物とする)。母屋 150 m² は 7 人、離れ 115 m² は 5 人で、合わせて 12 人の浄化槽を1基設けます(同マニュアルの例「12人槽を1基設置する」)。離れにトイレと台所しかない場合や、浴室とトイレしかない場合は1棟の建物と考え、床面積を合算します(150+115=265 m² で 7 人)。
2世帯住宅の扱いは県で違います。三重県の表は2世帯住宅を n=10 とし、徳島県は生活単位ごとに算定して、合計が10人を超えても10人で可としています。どちらも JIS の表そのものではなく、県の取扱いです。
計算の画面では、独立した住宅として算定する母屋と離れを「+ 用途を追加」で2行にすると加算できます。
住宅の人員を減らせる場合(ただし書きの運用)
規格の 2 のただし書き(表が明らかに実情に添わないときは増減できる)について、国土交通省は住宅の運用を通知しています。平成10年3月31日の通知(建設省住指発第167号)は、地域の同程度の住宅の平均的な居住人員が表の人員を下回るときは両者の平均を処理対象人員にでき、5を下回るときは5人とする、としていました。
令和8年7月3日の通知(国住指第191号)は、世帯構造や生活様式の変化で使用水量が従来の想定を下回る場合があることから平成10年通知を廃止し、5人未満の浄化槽も採用できるようにしました(両者の平均とする考え方は同じ)。運用は特定行政庁で確かめてください。
県が条件を決めている例もあります。徳島県は令和4年4月1日から、一戸建ての住宅(二世帯住宅・賃貸住宅・建売住宅を除く)の合併処理浄化槽で、住宅部分の延べ床面積が 180 m² 以下・実居住人員と将来の見込みが5人以下・使用水量の見込みが 1,000 L/戸・日以下・台所と浴室がそれぞれ1か所以内などの条件を満たすとき、処理対象人員を5人にできるとしています。
共同住宅(表 2ロ)
共同住宅は n=0.05A です。ただし、1戸当たりの n が3.5人以下のときは1戸当たりの n を3.5人(1戸が1居室だけで構成されている住戸は2人)とし、6人以上のときは6人とします。居室は、建築基準法の居室(居住・執務・作業・集会・娯楽などのために継続的に使う室)で、共同住宅の台所と食事室は除きます(表の注)。
計算の画面は、0.05A を戸数で割って1戸当たりの n を求めます(住戸の広さが同じと見る)。広さの違う住戸があるときは、共用部分の面積を割り振ったうえで、広さごとに行を分けて入力すると、行ごとに決まりを当てて加算します。
| 延べ面積・戸数 | 1戸当たりの n | 人員 |
|---|---|---|
| 600 m²・10戸 | 3→3.5 人 | 35 人 |
| 1,000 m²・10戸 | 5 人 | 50 人 |
| 1,500 m²・10戸 | 7.5→6 人 | 60 人 |
| 300 m²・10戸(1居室だけ) | 1.5→2 人 | 20 人 |
1戸当たりの n は 0.05A÷戸数です。矢印は決まりを当てたあとの人数で、3.5人以下は3.5人(1居室だけの住戸は2人)、6人以上は6人にしています。
徳島県浄化槽施工マニュアルの表は、1居室だけの住戸を2人とする条件に「1戸の床面積が 40 m² 以下」を加えています。JIS の表(岐阜県・三重県の写し)にはこの条件は無く、県の取扱いです。共同住宅の汚水量は、住宅と同じく 200 L/人・日とされています(徳島県)。
下宿・寄宿舎と老人ホームなど(表 2ハ・2ニ)
下宿・寄宿舎は延べ面積から n=0.07A、学校寄宿舎・自衛隊キャンプ宿舎・老人ホーム・養護施設は定員をそのまま n=P とします。例えば延べ面積 400 m² の寄宿舎は 28 人、定員 50 人の老人ホームは 50 人です。
出典
- 岐阜県「建築物の用途別による屎尿浄化槽の処理対象人員算定基準・算定単位あたりの汚水量及びBOD参考値」(JIS A 3302-2000 の表・参考資料)
- 三重県「3章 汚水処理施設」(3-1-1 計画処理対象人員・建築用途別処理対象人員算定基準表 JIS A 3302-2000)
- 徳島県・徳島県浄化槽推進協議会「徳島県浄化槽施工マニュアル」(平成28年11月・1(3) 人槽算定・表1-1)
- 国土交通省「屎尿浄化槽の処理対象人員の算定方式について」(平成10年3月31日 建設省住指発第167号)
- 国土交通省住宅局「屎尿浄化槽の処理対象人員の算定方式について」(令和8年7月3日 国住指第191号・国住参建第2414号)
- 徳島県「一戸建て住宅に設置する屎尿浄化槽の処理対象人員算定基準のただし書に係る取扱い(緩和措置)について」
- 国土交通省「建築物の用途別による屎尿浄化槽の処理対象人員算定基準(JIS A 3302―1988)」(建設省住指発第167号の別紙)