説明

熱電対の種類と温度範囲(K・J・T・E・N・R・S・B)

8種類の熱電対の材料と規準関数の範囲、100 ℃ の熱起電力の違いです。

記号は温度と熱起電力の関係

熱電対の K・J・T などの記号は、材料の名前ではなく、温度と熱起電力の関係(規準関数)を表します。NIST Monograph 175 は、記号は表を表し、表と許容差の内で一致する熱電対なら、材料の組成によらずその記号を使えるとしています。BIPM の手引きによると、IEC の規格で作った熱電対は、ヨーロッパ(DIN)・イギリス(BS)・日本(JIS)・アメリカ(ANSI・ASTM)の規格の定義とも一致します。JIS C 1602:2015 は、IEC 60584-1:2013 を取り入れ、一部を変えて作った規格です。

8種類の材料

+脚と−脚の材料です(NIST Monograph 175 の表 1.1.1)。

規準関数の範囲と 100 ℃ の熱起電力

範囲は規準関数の範囲です。右の列は、このアプリの式で求めた 100 ℃ の熱起電力(基準接点 0 ℃)です。

種類規準関数の範囲100 ℃
K−270〜1,372 ℃4.096 mV
J−210〜1,200 ℃5.269 mV
T−270〜400 ℃4.279 mV
E−270〜1,000 ℃6.319 mV
N−270〜1,300 ℃2.774 mV
R−50〜1,768.1 ℃0.647 mV
S−50〜1,768.1 ℃0.646 mV
B0〜1,820 ℃0.033 mV

種類ごとの使われ方

BIPM の手引きの表と本文から、主な使われ方をまとめました。

1 ℃ 当たりの熱起電力

卑金属の熱電対(E・J・K・N・T)は、1 ℃ 当たりの熱起電力(ゼーベック係数)が大きく、BIPM の手引きは 30〜80 µV/℃ としています。白金とロジウムの熱電対(R・S・B)はそれより小さく、上の表でも 100 ℃ の熱起電力は K の 4.096 mV に対して、R は 0.647 mV、B は 0.033 mV です。同じ精度で温度を読むには、R・S・B では細かい桁まで熱起電力を測ります。

銅・ニッケル合金は種類ごとに違う

J・T・E の−脚は、どれも銅・ニッケル合金(コンスタンタン)です。NIST Monograph 175 と BIPM の手引きは、J の−脚は E・T の−脚と似ているが、ふつうは取り替えられないとしています。BIPM の手引きは、熱電対の線は+脚と−脚を組で買って組で使い、別の所や別のロットの線と混ぜないよう求めています。

色では見分けられない

BIPM の手引きは、熱電対・補償導線・プラグの被覆の色は国ごとにそろっておらず、色だけで種類を見分けられないことがあるとしています。種類は、熱電対の表示や記録で確かめます。

出典

熱電対の起電力を計算する