説明

熱電対の換算のよくある質問

熱電対の換算で迷いやすい所と、計算結果の扱いです。

換算表の値と少し違います

NIST の 1 ℃ ごとの表は、熱起電力を小数3桁(1 µV)に丸めています。K の 100 ℃ は、式では 4.0962 mV、表では 4.096 mV です。熱起電力から温度を求める逆関数には、式ごとに誤差(K の 0〜500 ℃ で −0.05〜0.04 ℃)もあります。

換算表(規準熱起電力表)はどこにありますか

NIST ITS-90 Thermocouple Database が、8種類の 1 ℃ ごとの表を公開しています。JIS C 1602:2015 の目次にも、附属書 A(参考)規準熱起電力表と附属書 JA(規定)基準関数定数があります。

熱起電力がマイナスになりました

測温接点が基準接点より低い温度のときは、熱起電力はマイナスです。たとえば K で測温接点が 0 ℃、端子が 25 ℃ なら −1.000 mV です。高い温度を測っているのにマイナスなら、+と−の接続(極性)を確かめます。

熱電対を逆に接続する(逆接続)と、どう読みますか

+と−を逆につなぐと、測れる熱起電力の符号が逆になります。基準接点の補償を持つ計器はそれに E(tr) を加えるので、K で測温接点が 100 ℃、端子が 25 ℃ なら、−3.096 mV + 1.000 mV = −2.096 mV を温度にして、−55.8 ℃ を示します。測温接点の温度が上がるほど、指示は下がります。

µV で表示されます

1 mV = 1,000 µV です。このアプリは mV で入力します。4,096 µV は 4.096 mV です。

B は基準接点の補償が要りませんか

NIST Monograph 175 は、B の基準接点が 0〜50 ℃ なら 0 ℃ とみなしてよく、誤差は 3 µV を超えないとしています。1,100 ℃ より高い温度では、3 µV(およそ 0.3 ℃)の誤差は多くの場合問題にならないとしています。

補償導線を使うと、基準接点はどこになりますか

補償導線は、熱電対の線の代わりに計器までつなぐ線で、熱電対と同じような熱起電力を生じるように作ってあります。BIPM の手引きは、熱電対に似た材料で作り 0〜100 ℃ の範囲で使う延長用の線と、R と S 用に銅の合金で熱起電力を似せた補償用の線を挙げ、熱電対と補償導線のつなぎ目を温度のそろった所に置くよう求めています。補償導線を計器の端子までつなぐと、基準接点は計器の端子(補償導線が銅の線につながる所)になります。JIS では JIS C 1610(熱電対用補償導線)が、JIS C 1602 の引用規格に挙がっています。

古い換算表と値が違います

ITS-90 は、前の 1968年国際実用温度目盛(IPTS-68)に代わる温度目盛です。NIST Monograph 175 は、IPTS-68 による前の規準関数と表を ITS-90 と 1990年の SI のボルトに合わせて改めたとしています。古い表とは値が少し違うことがあります。このアプリは ITS-90 の規準関数です。

計算結果の扱い

出典

熱電対の起電力を計算する