公共建築工事標準仕様書は、セメントの種類ごとに水セメント比の最大値を決めています。
セメントの種類ごとの水セメント比の最大値
国土交通省大臣官房官庁営繕部の公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版は、6.3.2 コンクリートの調合 (イ) 調合条件の (b) で、水セメント比の最大値をセメントの種類ごとに決めています。普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメントA種、シリカセメントA種、フライアッシュセメントA種は 65%、低熱ポルトランドセメント、高炉セメントB種、シリカセメントB種、フライアッシュセメントB種は 60%、普通エコセメントは 55% です。
| セメントの種類 | 水セメント比の最大値 | 使うセメントの決まり(6.3.1) |
|---|---|---|
| 普通ポルトランドセメント | 65% | 特記がなければ、この中から |
| 早強ポルトランドセメント | 65% | 特記による |
| 中庸熱ポルトランドセメント | 65% | 特記による |
| 高炉セメントA種 | 65% | 特記がなければ、この中から |
| シリカセメントA種 | 65% | 特記がなければ、この中から |
| フライアッシュセメントA種 | 65% | 特記がなければ、この中から |
| 低熱ポルトランドセメント | 60% | 特記による |
| 高炉セメントB種 | 60% | 適用箇所は特記 |
| シリカセメントB種 | 60% | 特記による |
| フライアッシュセメントB種 | 60% | 適用箇所は特記 |
| 普通エコセメント | 55% | 1〜9節と14節による |
セメントの種類は特記によります。特記がなければ、普通ポルトランドセメント、高炉セメントA種、シリカセメントA種又はフライアッシュセメントA種です(6.3.1(1)(ア))。高炉セメントB種とフライアッシュセメントB種の適用箇所は特記によります(同 (イ))。
再生骨材Hを使う場合は 60%
同じ (b) の②は、再生骨材Hを使用する場合の水セメント比の最大値を 60% としています。普通ポルトランドセメントのように①で 65% のセメントでも、再生骨材Hを使えば 60% までです。
普通エコセメントを使うコンクリートに再生骨材Hを使う場合は、6.3.1(2)(ア)(a) により特記によります。このアプリは、この組み合わせの水セメント比を「特記による」と表示し、○ も ✗ も付けません。
最大値の境目
最大値ちょうどは「以下」に入ります。単位水量 180 kg/m³・単位セメント量 300 kg/m³ は 60.0% で、高炉セメントB種の最大値 60% を満たします。一方、普通エコセメントで単位水量 175 kg/m³・単位セメント量 318 kg/m³ は 55.03% で、小数1桁に丸めると 55.0% に見えますが、最大値 55% を超えています(判定 ✗)。仕様書は丸め方を決めていないので、このアプリは丸める前の値で比べます。
ほかの節で上限が変わるコンクリート
6.3.2(イ) は普通のコンクリートの決まりです。次のコンクリートは、同じ仕様書の別の所が上限や下限を変えています(6章の10節から16節は、その節に規定する事項以外は、1節から9節までによります)。このアプリの判定は 6.3.2(イ) だけなので、次のコンクリートは節の数で読み替えてください。
| コンクリート(節) | 水セメント比 | 単位セメント量・単位水量 |
|---|---|---|
| 軽量コンクリート(6.10.3) | 最大値 55% | 最小値 320 kg/m³(常時土又は水に直接接する部分は 340 kg/m³) |
| 寒中コンクリート(6.11.2) | 最大値 60% | — |
| マスコンクリート(6.13.2) | — | 6.3.2(イ)(d) の最小値は適用しない(可能な限り少なく) |
| 無筋コンクリート(6.14.2) | 6.3.2(イ)(b) の最大値は適用しない | 6.3.2(イ)(d) の最小値は適用しない |
| 高流動コンクリート(6.16.2) | 上限を定めて、監督職員の承諾を得る | — |
| 場所打ちコンクリート杭(4.5.4・表4.5.1) | 最大値 60% | 最小値 A種 270 kg/m³(無水掘り)・B種 330 kg/m³、単位水量の最大値 200 kg/m³ |
| 簡易なプレキャストコンクリート(20.3.3) | 特記がなければ 55% 以下 | 特記がなければ最小値 300 kg/m³ |
無筋コンクリートは、捨コンクリートや防水層の保護コンクリートなど、補強筋を必要としないコンクリートです(6.14.1)。土木工事や自治体の工事は、それぞれの仕様書で別の値を決めていることがあります。設計図書の特記があれば、特記が先です。
出典
仕様書の表を写したものではありません。条文の数(上限と下限)と節の番号だけを引いています。