Cp と Cpk の違い、標準偏差の割り方、データの数についてです。
規格と平均値・標準偏差(または測定値)から、工程能力指数 Cpk・Cp
Cp と Cpk はどう違いますか
Cp は公差を 6σ で割った数で、平均値の位置を使いません。Cpk は平均値から近い方の規格までを 3σ で割った数で、平均値のずれも含みます。ミツトヨ「品質管理の基礎知識」は、Cpk を「規格中心と工程平均のずれを考慮した工程能力指数」と書いています。
Cpk が Cp より大きくなることはありますか
ありません。NIST e-Handbook 6.1.6 のとおり Cpk = Cp(1 − k) で、k は 0 以上なので Cpk は Cp 以下です。平均値が規格の中心にあるとき(k = 0)だけ、Cpk と Cp が同じ値になります。
Cpk がマイナスになるのはどんなときですか
平均値が規格の外にあるときです。規格上限 10.05・規格下限 9.95・標準偏差 0.01 で平均値が 10.06 なら、上側の指数は (10.05 − 10.06) ÷ (3 × 0.01) = -0.33 で、Cpk も -0.33 です。Cp は 1.67 のままなので、ばらつきより平均値の位置を直す工程です。
標準偏差は n と n − 1 のどちらで割りますか
測定値から求めるときは n − 1 で割る標準偏差 s を使います。NIST e-Handbook 6.1.6 は、Cp・Cpk の推定値は μ と σ を平均値と標準偏差 s に置き換えて求めるとし、s は 1.3.5.6 の節で N − 1 で割る式です。エクセルなら STDEV.S 関数が n − 1 で割る関数です。
データは何個あればよいですか
NIST e-Handbook 6.1.6 は、工程能力指数の推定値はサンプルの大きさが十分なときだけ有効で、十分な大きさは約 50個の独立したデータとしています。さらに、工程能力の調査には一般に 100個以上が要るとしています。「測定値」の画面は、測定値が 50個より少ないと注意の1行を表示します。
測定値が正規分布でないときは
Cp・Cpk は正規分布を前提にした指数です。NIST e-Handbook 6.1.6 は、正規分布でないときの方法として、データを正規分布に近づける変換(Box-Cox 変換など)や、正規分布でない分布向けの指数を挙げています。このアプリは正規分布を前提にした式だけを計算します。
1.33 以上なら不適合品は無くなりますか
無くなるとは言えません。NIST e-Handbook 6.1.6 の表では、平均値が規格の中心にあっても Cp 1.33 で 64 ppm(100万個に 64個)の不適合品があります。平均値がずれていれば、近い側の不適合品はこれより増えます。
出典
- ミツトヨ 精密測定機器の豆知識「品質管理の基礎知識」: Cp と Cpk の説明・正規分布の前提
- NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods 6.1.6「What is Process Capability?」: Cpk = Cp(1 − k)・推定値・データの数・正規分布でないとき・不適合品の割合の表
- NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods 1.3.5.6「Measures of Scale」: 標準偏差 s の式
- Microsoft サポート「STDEV.S 関数」: STDEV.S 関数