天井の高い部屋は気積が大きく、天井高に応じた換気回数の緩和があります。
吹き抜けの部屋は、気積が大きくなる
必要有効換気量は 床面積 × 天井高 × 換気回数 なので、同じ床面積でも天井が高いほど大きくなります。吹き抜けや勾配天井の部屋は、平均の天井高で気積を求めます(豊中市の計算書の様式は、気積を「平均天井高さ × 床面積」で計算するとしています)。
例: 床面積 20 m² の居間は、天井高 2.4 m なら気積 48.00 m³・必要有効換気量 24.00 m³/h ですが、吹き抜けで平均の天井高が 5.0 m なら気積 100.00 m³・必要有効換気量 50.00 m³/h です。
階段の換気計算
階段は上の階までつながっているので、天井高が高くなることがあります。熊本県の計算表の例では、階段を床面積 4.14 m²・天井高 5.34 m の1行にして、気積 22.11 m³・換気量 11.05 m³/h(0.5 回/h)を合計に含めています。階段の形が複雑なときは、別に気積を計算して確かめます(豊中市の計算書の様式は、階段部分などの複雑な形状の部分は別途計算書を提出するとしています)。
天井の高い居室の換気回数の緩和(告示第273号)
天井の高さが一定以上の居室は、天井の高さに応じた換気回数で必要有効換気量を計算した機械換気設備を設けることができます(平成15年国土交通省告示第273号。国土交通省の説明資料の「天井の高さが高い居室で換気回数の緩和を受けるもの」)。式は同じ Vr = n × A × h で、n だけが次の表の値になります。
住宅等の居室(換気回数 0.5 回/h 相当の換気が確保される居室・天井の高さ 2.9 m 以上)
| 天井の高さ | 換気回数 |
|---|---|
| 2.9 m 以上 3.9 m 未満 | 0.4 回/h |
| 3.9 m 以上 5.8 m 未満 | 0.3 回/h |
| 5.8 m 以上 11.5 m 未満 | 0.2 回/h |
| 11.5 m 以上 | 0.1 回/h |
その他の居室(換気回数 0.3 回/h 相当の換気が確保される居室・天井の高さ 3.5 m 以上)
| 天井の高さ | 換気回数 |
|---|---|
| 3.5 m 以上 6.9 m 未満 | 0.2 回/h |
| 6.9 m 以上 13.8 m 未満 | 0.1 回/h |
| 13.8 m 以上 | 0.05 回/h |
計算の画面では、「詳しい設定」の「天井の高い居室の緩和(告示第273号)」をオンにすると、表の天井高に当たる行だけ、表の換気回数で計算します。表の天井高に届かない部屋は、0.5 回/h(その他の居室は 0.3 回/h)のままです。
- 吹き抜けの居間(20 m²・平均の天井高 5.0 m): 3.9 m 以上 5.8 m 未満なので 0.3 回/h、必要有効換気量は 30.00 m³/h(緩和なしは 50.00 m³/h)
- 天井高 2.9 m ちょうど: 「2.9 m 以上」なので 0.4 回/h、23.20 m³/h
- 天井高 2.89 m: 表の天井高に届かないので 0.5 回/h のまま、28.90 m³/h
緩和を使うかどうかは設計者が決めます。使わずに 0.5 回/h で計算すれば、必要有効換気量は大きめになります。確認申請では、審査機関と確かめてください。
0.7 回/h 相当の表(内装の仕上げの制限)
国土交通省の説明資料には、換気回数 0.7 回/h 相当の換気が確保される居室(天井の高さ 2.7 m 以上)の表もあります。こちらは、内装の仕上げにホルムアルデヒドを発散する建築材料を使うときの面積の制限で、換気回数 0.7 回/h 以上の居室として扱うための表です。
| 天井の高さ | 換気回数 |
|---|---|
| 2.7 m 以上 3.3 m 未満 | 0.6 回/h |
| 3.3 m 以上 4.1 m 未満 | 0.5 回/h |
| 4.1 m 以上 5.4 m 未満 | 0.4 回/h |
| 5.4 m 以上 8.1 m 未満 | 0.3 回/h |
| 8.1 m 以上 16.1 m 未満 | 0.2 回/h |
| 16.1 m 以上 | 0.1 回/h |
この計算の緩和は、0.5 回/h 相当と 0.3 回/h 相当の表だけを使います。