熱感知器の感知面積は、種別・取付け面の高さ・構造で決まります。
感知面積とは
感知面積は、感知器の種別と取付け面の高さに応じて、規則第23条第4項第3号ロ(熱感知器)と第7号ホ(煙感知器)の表で定める、火災を有効に感知することができる床面積です(松戸市消防局 第10 4(4)オの備考)。
感知器は、感知区域ごとに、表で定める床面積につき1個以上の個数を、火災を有効に感知するように設けます(規則第23条第4項第3号ロ)。
熱感知器の感知面積(規則第23条第4項第3号ロの表)
取付け面の高さ 4 m未満
| 感知器の種別 | 耐火構造 | その他の構造 |
|---|---|---|
| 差動式スポット型 1種 | 90 m² | 50 m² |
| 差動式スポット型 2種 | 70 m² | 40 m² |
| 補償式スポット型 1種 | 90 m² | 50 m² |
| 補償式スポット型 2種 | 70 m² | 40 m² |
| 定温式スポット型 特種 | 70 m² | 40 m² |
| 定温式スポット型 1種 | 60 m² | 30 m² |
| 定温式スポット型 2種 | 20 m² | 15 m² |
| 熱アナログ式スポット型 | 70 m² | 40 m² |
取付け面の高さ 4 m以上8 m未満
| 感知器の種別 | 耐火構造 | その他の構造 |
|---|---|---|
| 差動式スポット型 1種 | 45 m² | 30 m² |
| 差動式スポット型 2種 | 35 m² | 25 m² |
| 補償式スポット型 1種 | 45 m² | 30 m² |
| 補償式スポット型 2種 | 35 m² | 25 m² |
| 定温式スポット型 特種 | 35 m² | 25 m² |
| 定温式スポット型 1種 | 30 m² | 15 m² |
| 定温式スポット型 2種 | - | - |
| 熱アナログ式スポット型 | 35 m² | 25 m² |
表の数は、消防庁の消防予第120号の新旧対照表(規則第23条第4項第3号ロ)の数です。改正後と改正前で数は同じで、松戸市消防局の第10 4(4)オの参考表・さいたま市の審査基準の参考表・日本火災報知機工業会の点検実務マニュアルの表とも同じです。「-」は表に欄が無く、その高さに設置できない種別です(規則第23条第4項第2号の表)。
耐火構造とその他の構造
「耐火構造」は、特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物又はその部分です。それ以外は「その他の構造」の数を使います(規則第23条第4項第3号ロの表)。
令和6年4月1日からの字は「特定主要構造部」です。それより前は「主要構造部」でした(消防庁 消防予第120号の新旧対照表)。表の数は変わっていません。 特定主要構造部は、建築基準法第2条第9号の2イに規定する特定主要構造部です(消防予第120号の新旧対照表)。
構造が分からないときは「その他の構造」で計算すると、個数は多い側になります。
表の数の並び
差動式スポット型と補償式スポット型は、同じ1種・2種なら同じ数です。定温式スポット型の特種は、差動式スポット型2種と同じ数です。
耐火構造の 4 m以上8 m未満 の数は、4 m未満 の数のちょうど半分です(90→45・70→35・60→30)。その他の構造は、差動式スポット型1種は 50→30、差動式スポット型2種は 40→25 で、半分より大きい数です。高さの区分で半分と覚えると、その他の構造では個数を多く見積もります。
熱アナログ式スポット型と定温式スポット型2種
熱アナログ式スポット型感知器は、定温式スポット型の特種として扱います(松戸市消防局 第10 4(4)ニ・日本火災報知機工業会の点検実務マニュアル)。 日本火災報知機工業会のマニュアルの表にも「熱アナログ式スポット型は定温式スポット型の特種に相当する」と注があります。
定温式スポット型2種は、4 m未満 の欄だけに数があり、耐火構造 20 m²・その他の構造 15 m²です。定温式スポット型2種は、防火対象物の用途・内装・収容物等の状況から、火災を有効に感知できると認められる場合に設けることができます(松戸市消防局 第10 4(4)ナ)。
「設置場所の環境状態と適応感知器」の表(松戸市消防局の第10-1表・第10-2表)の注は、差動式分布型3種と定温式2種を、消火設備と連動する場合に限り使用できるとしています。
資料によって数が違うとき
消防庁の「地下駐車場等における消防用設備等」の表3-6 は、定温式スポット型特種の 4 m以上8 m未満・その他の構造を 20 m² と書いています。規則の表(消防予第120号の新旧対照表の改正前と改正後)と、松戸市消防局・さいたま市の表は 25 m²です。このアプリは規則の表の 25 m²で計算します(例: 60 m² は 60 ÷ 25 = 2.4 → 3 個)。
多信号感知器
多信号感知器は、その有する種別に応じて定める床面積のうち、最も大きい床面積で計算します(規則第23条第4項第3号ロ)。 このアプリでは、その多信号感知器が有する種別のうち、感知面積が最も大きい種別を選んで計算します。
出典
- 消防庁「消防法施行規則及び排煙設備に代えて用いることができる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令の一部を改正する省令等の公布について」(消防予第120号・令和6年3月29日・新旧対照表=規則第23条第4項第3号ロの表)
- 松戸市消防局「消防用設備等設置基準 第10 自動火災報知設備」(必要個数の式・感知面積と取付け面の高さの参考表・廊下と階段)
- さいたま市「消防用設備等に関する審査基準 第10 自動火災報知設備」(必要個数の式・感知面積と取付け面の高さの参考表・廊下と階段)
- 日本火災報知機工業会「自動火災報知設備の点検実務マニュアル 感知器の点検方法編」(取付面の高さと感知器種別、感知面積の表)
- 消防庁「地下駐車場等における消防用設備等」(表3-5 取り付け面の高さに応じた熱感知器の種類・表3-6 スポット型熱感知器の感知区域)