縦断曲線を2次放物線として、縦距 y・M と、半径 R と曲線長 L の関係を求めます。
縦断勾配と曲線長から、縦距 M・y と計画高
縦断曲線は2次放物線
土地改良事業計画設計基準 設計「農道」は、農道の縦断勾配の変移する箇所に、車両の走行時に受ける衝撃の緩和と視距の確保のために縦断曲線を挿入するとし、縦断屈曲部の曲線形を2次放物線としています。縦断曲線は極めて扁平なので、その長さは近似的に BC〜EC 間の距離(水平距離)に等しいものと見なします。
BC は縦断曲線の始点、EC は終点、V は2本の勾配線が交わる勾配の変移点です。BC から V までと V から EC までの水平距離は、どちらも L ÷ 2 です。
縦距の式
- x:BC から任意の点 P までの水平距離(m)
- y:BC から x の距離にある点 P の、勾配線から曲線までの縦距(m)
- i1:BC における縦断勾配(%)、i2:EC における縦断勾配(%)。符号は昇り勾配を+、下り勾配を−とします。
- L:縦断曲線長(m)(基準の式では ℓ と書きます)
- M:勾配の変移点 V から縦断曲線の中点までの距離(m)
y は x の2乗に比例し、x = L ÷ 2(V の位置)で M になります。i は % の値をそのまま使います。式(3.6.3) の 200 は、% を比に直す 100 と 2 の積(y = (i1 − i2) ÷ 100 × x² ÷ (2 × L))で、式(3.6.2) の 800 は、x = L ÷ 2 を代入したときの 200 × 4 です。EC(x = L)では y = 4M になり、これは BC の勾配線を EC まで延ばした高さと EC の高さの差((i1 − i2) × L ÷ 200)に一致します。
半径 R と曲線長 L
縦断曲線は、曲線長で示す方法と、放物線を円曲線で近似し、その曲線半径で示す方法があります。
線形設計例の縦断曲線計算表(表-3.8.6)は、勾配の差を I = |i1 − i2| と書き、R = 100L/I、y = Ix²/200L で計算しています。I は向きの無い差なので、このアプリも M と y の大きさを I で計算し、向きは凸形曲線か凹形曲線かで決めます。例えば R = 500.0 m・I = 5.00 % なら、L = 500.0 × 5.00 ÷ 100 = 25.000 m です。
凸形曲線と凹形曲線
i1 − i2 が正(昇りから下りへ、または急な昇りから緩い昇りへ)なら、曲線は勾配線より下にある凸形曲線です。i1 − i2 が負(下りから昇りへなど)なら、曲線は勾配線より上にある凹形曲線です。名前は道路構造令 第22条の「凸形曲線」「凹形曲線」です(農道の基準の表では凸曲線・凹曲線)。
式(3.6.3) の y は、凸形曲線で正、凹形曲線で負の値になります(勾配線から下へ測った縦距)。縦断図では、勾配線の高さに加える向きで、凸形曲線の y を −、凹形曲線の y を + と書きます。このアプリの点ごとの y も、縦断図と同じ向きで表示します。
計算の例
線形設計例の3つの縦断曲線(縦断曲線長はどれも 25 m)を、この式で計算した値です。R は設計例の表では整数(500・338・463 m)に丸めています。
| 屈曲測点 | i1(%) | i2(%) | I(%) | L(m) | R(m) | M(m) | 曲線形 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| No.1+10.00 | 0.00 | 5.00 | 5.00 | 25.000 | 500.0 | 0.156 | 凹形曲線 |
| No.5 | 5.00 | −2.40 | 7.40 | 25.000 | 337.8 | 0.231 | 凸形曲線 |
| No.12+15.00 | −2.40 | 3.00 | 5.40 | 25.000 | 463.0 | 0.169 | 凹形曲線 |
例えば No.5 の縦断曲線は、I = |5.00 − (−2.40)| = 7.40 %、M = 7.40 × 25 ÷ 800 = 0.23125 で、小数第3位に四捨五入して 0.231 m です。BC から 5.558 m の点の y は 7.40 × 5.558² ÷ (200 × 25) = 0.0457… で、0.046 m です。
出典
縦断勾配と曲線長から、縦距 M・y と計画高