貯水槽の消毒は有効塩素 50〜100 mg/L で2回以上、消毒後は30分以上おきます。
建築物環境衛生維持管理要領の決まり
厚生労働省の「建築物環境衛生維持管理要領」(健発第0125001号の別添)は、貯水槽(貯湯槽を含む)内の消毒を、原則として次の要領で行うとしています。
- 消毒薬は有効塩素 50〜100 mg/L の濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液、またはこれと同等以上の消毒能力を有する塩素剤を用いる。
- 消毒は、貯水槽内の天井の下面、壁面及び床面について、消毒薬を高圧洗浄機等を利用して噴霧により吹き付けるか、ブラシ等を利用して行う。
- 前記の方法により2回以上消毒を行い、消毒後は30分以上時間をおく。
- 消毒作業が終了した後、洗浄し、洗浄水を排水した後、貯水槽内への水張りを行う。
同じ要領は、高置水槽や圧力水槽の清掃は原則として受水槽の清掃と同じ日に行うこと、作業衣と使用器具は貯水槽の清掃専用のものとし、作業に当たっては作業衣と使用器具の消毒を行うことも求めています。
作業計画書に書く濃度と希釈倍率
東京都健康安全研究センターの「作業実施方法等」の作成例(飲料水の貯水槽の清掃作業)は、使用する塩素剤の欄の記載例を「(次亜塩素酸ナトリウム○%)を○○○倍に希釈し○○mg/Lとして使用する」としています。塩素剤の名称(商品名)・原液の濃度・希釈倍率・最終的な使用濃度を書き、塩素剤は適切な濃度(50〜100 mg/L)に希釈して使う必要があるとしています。
このアプリの「計算の内訳」には、この形の1文を表示します。例: 「次亜塩素酸ナトリウム 12% を 1,200倍に希釈し 100 mg/L として使用する。」
同じ作成例は、塩素消毒について「最終濃度 50〜100 mg/L の次亜塩素酸ナトリウムを用い、30分以上消毒をする作業を 2 回行う必要があります」としています。
清掃の手順の中の消毒
松江市上下水道局の「貯水槽の標準的な清掃方法」では、消毒に関わる手順は次のとおりです。
- 使用器具の消毒: バケツ等に塩素濃度約 50 mg/L の次亜塩素酸ナトリウム溶液を入れ、デッキブラシ等の器具を浸して消毒する。ゴム手袋・マスク等を着用する。
- 消毒: 塩素濃度約 50〜100 mg/L の溶液をモップ等で水槽内の全面に塗布し、30分程度放置した後、水洗いを行う。残水を拭き取り、消毒をもう一度行う。
- 水張: 消毒排水を完全に排水した後、30分以上経過してから水槽内に水を張る。
- 水質検査: 末端給水栓で残留塩素を測り(0.2 mg/L 以上)、色・味・臭気・濁りを確かめる。消毒残水が残っていると高濃度になるので注意する。
器具の消毒用に 50 mg/L の液を 10 L 作るなら、12% の原液で 4.2 mL(2,400倍)です。同じ手順は、清掃の作業工程を記録し、5年間は保管するとしています。
消毒のあとの検査
東京都健康安全研究センターの作成例に引かれた厚生労働省告示第117号 第五の三は、貯水槽の清掃終了後、塩素剤を用いて2回以上貯水槽内の消毒を行い、消毒終了後は消毒に用いた塩素剤を完全に排除するとともに、貯水槽内に立ち入らないとしています。第五の四は、水張り終了後に給水栓と貯水槽内の水について、残留塩素の含有率(遊離残留塩素の場合は100万分の0.2以上、結合残留塩素の場合は100万分の1.5以上)、色度 5度以下、濁度 2度以下、臭気と味が異常でないことを検査し、満たしていない場合は原因を調査して必要な措置を講ずるとしています。