計算した全損失は見積もりです。施工後は伝送損失と接続損失を測って確かめます。
計算は見積もり、確かめるのは測定
全損失の計算は、施工の前に区間の損失を見積もる物です。Cisco の資料は「フィールドでは常に測定を実行してください」とし、パワーバジェットが全損失を上回る例でも、確認するにはリンクを測定する必要があるとしています。
施工後の測定と試験(国土交通省の施工要領)
国土交通省の光ファイバケーブル施工要領(平成25年3月)は、河川・ダム・海岸・砂防・道路・公園に敷設する光ファイバケーブル施設の設計と施工の要領です。第7章で、施工後の測定と試験を次のように決めています。
- 7-1: 敷設工事の施工後には、伝送損失と接続損失などの測定と試験、外観確認を行う。
- 7-2: 測定と試験の前に、伝送損失と接続損失の規格値を確認し、測定器具や測定試験ヤードなどを準備する。
- 7-3: 接続損失と伝送損失などの測定と、クロージャの気密試験は、定められた標準的な方法による。
- 7-4: 測定と試験のデータは、維持管理に要る物を、管理と検索ができるように整理して提出する。
- 7-5: 施工単位を通した出来形と伝送路損失を確認する。
接続については 6-9 で、ケーブルとケーブルの心線をつなぐ融着接続工法と、ケーブル端末部のコネクタ接続工法によるとし、どちらも区間線路損失に大きく影響するため、所定の接続工法で堅固に施工するとしています。設計では、許容引張力・許容曲げ半径・ケーブルピース長・接続箇所を考慮するとしています(3-3)。
損失の試験方法(JIS C 6823)
光ファイバーの損失の試験方法は、JIS C 6823(光ファイバ損失試験方法)に決められています。2026年2月20日に改正された版(JIS C 6823:2010 を置き換えた版)の目次は、損失試験の方法として、方法 A カットバック法、方法 B 挿入損失法、方法 C OTDR 法、方法 D 損失波長モデル法を附属書に挙げています。手順と条件は規格の本文で確かめてください。
施工後の維持管理
同じ施工要領は、線路の常時監視では、光ファイバ線路監視測定装置などによって、ケーブルの断線、伝送損失、接続部の浸水などを監視するとしています(8-3)。障害が起きたときは、常時監視の測定記録を分析して、その位置を判定します(9-2)。