区間の全損失を、コネクタ接続・融着接続・光ファイバー・システムマージンの合計で求めます。
光損失(減衰)とは
光ファイバーの中を光が伝わると、光の強さ(光パワー)は少しずつ弱くなります。Cisco の資料は、この減衰を、光パルスがマルチモードまたはシングルモードの光ファイバーを伝わるときに生じる、信号の強さや光パワーの損失を測った値とし、dB か dB/km で表すとしています。区間の損失は、光ファイバーそのものの損失に、コネクタ接続と融着接続の損失を加えた値です。国土交通省の光ファイバケーブル施工要領も、融着接続とコネクタ接続は「いずれも区間線路損失に大きく影響を与える」としています。
計算式
区間の全損失は、Cisco の資料の次の式で求めます。資料はこの値を全減衰(TA)と呼んでいます。資料の「接合」「スプライス」は、このアプリでは融着接続と表示します。
コネクタ接続と融着接続は「1か所の損失 × 数」、光ファイバーは「1 km 当たりの損失 × 長さ」で求め、最後にシステムマージン M を加えます。M は、パッチコード、ケーブルの曲げ、予測できない減衰などを見込む値で、Cisco の資料は 3 dB 前後としています。
例(Cisco の資料の 20.5 km の区間)
長さ 20.5 km、コネクタ接続 2 か所、融着接続 4 か所、システムマージン 3 dB の区間の全損失を、資料の表の値で計算すると次のとおりです(資料の計算例と同じ値)。
| 波長 | 標準 | 最悪 |
|---|---|---|
| 1310 nm | 12.39 dB | 16.05 dB |
| 1550 nm | 8.41 dB | 13.00 dB |
1310 nm の標準の内訳は、コネクタ接続 2 × 0.6 = 1.20 dB、融着接続 4 × 0.1 = 0.40 dB、光ファイバー 20.5 × 0.38 = 7.79 dB、システムマージン 3.00 dB で、合計 12.39 dB です。光ファイバーの分が、いちばん大きな割合を占めます。最悪の値では、コネクタ接続 2.00 dB、融着接続 0.80 dB、光ファイバー 10.25 dB で、同じ区間でも標準より 3.66 dB 大きくなります。どの条件の値で計算したかを、計算結果と一緒に控えておきます。
よくある間違い
- 長さを m のまま入力する: 式の L は km です。850 m は 0.85 km と入力します。850 と入力すると、損失 0.38 dB/km なら光ファイバーの分が 323.00 dB になります(0.85 km なら 0.32 dB)。
- 波長の違う値を混ぜる: Cisco の表の値は 1310 nm と 1550 nm で違います(標準の光ファイバーの損失は 0.38 dB/km と 0.22 dB/km)。機器が使う波長の値をそろえて入力します。
- システムマージンを含めたまま、ほかの資料の計算例と比べる: Juniper の資料の計算例はシステムマージンを使っていません。比べるときは、システムマージンを 0 dB にします。