草種ごとに W=A÷(B×C×D×E×F×G) を求め、合計します。
発生期待本数と補正率から種子の量(g/m²)
播種量の計算式
W = A ÷(B × C × D × E × F × G)
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| W | 1 m² 当たりの播種量(g/m²) |
| A | 1 m² 当たりの発生期待本数(本/m²) |
| B | 吹付厚に対する補正率 |
| C | 立地条件に対する補正率 |
| D | 施工時期の補正率 |
| E | 使用種子の発芽率(%) |
| F | 使用種子の単位粒数(粒/g) |
| G | 使用種子の純度(%) |
高知県の種子配合一覧表(林道法面保護工設計指針の別冊資料・令和6年4月、治山林道事業留意事項の正誤表・平成29年4月版)、新潟県の植生基材吹付工特記仕様書、四国地方整備局の手引きは、どれも同じ式です。草種ごとに W を求め、合計したものが 1 m² 当たりの播種量です。
四国地方整備局の手引きは、W を「設計厚に対する施工面積 1 m² 当たりの播種量」、A を「目標群落を成立させるのに必要と考えられる発生本数」としています。高知県の一覧表は、E・F・G を材料承認願に記載する値としています。
発芽率と純度は % を 100 で割って掛ける
E(発芽率)と G(純度)は % で書かれていますが、式には 100 で割った値(65% なら 0.65)を入れます。新潟県の計算例のクリーピングレッドフェスク(A=150・B=2/3・E=65%・F=1,000 粒/g・G=80%・吹付厚 3 cm)で確かめると、W は 0.43 g/m²、1 m³ 当たりにすると 14.42 g/m³ で、計算例の 14.42 と同じです。
% のまま 65 と 80 を掛けると、W は約 0.00004 g/m² となり、1万分の1になります。このアプリには発芽率と純度を % の数(65・80)で入力します。100 で割る計算は、このアプリが行います。
例: 1つの草種の計算
- 分母: 2/3 × 1.0 × 1.0 × 0.65 × 1,000 × 0.8 = 346.67
- W = 150 ÷ 346.67 = 0.43 g/m²(小数第3位以下を切り捨て)
- 植生基材吹付工(吹付厚 3 cm)の 1 m³ 当たり: W' = W × 100/3 = 0.43269… × 100/3 = 14.42 g/m³
同じ種子を種子吹付工(B=1.0)で使うと、分母は 520 になり、W=150 ÷ 520 = 0.28 g/m² です。植生基材吹付工では、種子が発芽可能な深さ t1 と吹付厚 t の比を B とし(高知県「種子が発芽可能な深さ(覆土厚さ)を確認して補正率を決める」)、B で割って播種量を増やします。
合計と施工面積の全量
草種ごとの W を合計したものが、1 m² 当たりの播種量です。全量(kg)= 1 m² 当たりの播種量の合計(g/m²)× 施工面積(m²)÷ 1,000。例えば新潟県の計算例(低木林型・吹付厚 3 cm)の合計 4.77 g/m² を 1,200 m² に吹き付けると、5.72 kg です。
合計と全量は、草種ごとの丸める前の値から求めています。画面に表示した草種ごとの値(小数第2位まで)を手で合計すると、小数第2位が 0.01 ほど違うことがあります。
補正率が小さいほど播種量は多い
補正率 B・C・D は分母に入るので、小さいほど播種量は多くなります。立地条件の補正率 C が 0.7(年間降水量 1,000 mm 未満)なら播種量は 1 ÷ 0.7 で約1.43倍、施工時期の補正率 D が 0.5(木本類の9月・10〜11月)なら2倍です。条件の悪い法面や時期に、発生期待本数を確保するための補正です。
出典
- 高知県 林業振興・環境部 治山林道課「高知県林道法面保護工設計指針 別冊資料」(令和6年4月): 【資料-1】種子配合一覧表の【計算式】と記号
- 高知県「治山林道事業留意事項(平成29年4月版)正誤表」共通-1-12・共通-1-13 種子配合一覧表: 共通-1-12・共通-1-13 の【計算式】
- 新潟県土木部「植生基材吹付工特記仕様書 t=3cm以上」(平成25年4月): 3.(13) 播種量の算出・5.(1) 播種量の計算例
- 国土交通省 四国地方整備局 四国技術事務所「在来木本類(播種)による法面緑化の手引き(案)」(平成14年3月)第2章 2-9: 2-9-1 解説(3)(W・A の意味と式)
発生期待本数と補正率から種子の量(g/m²)