発生期待本数は、播種後1年くらいの間に芽を出す本数の目標です。
発生期待本数と補正率から種子の量(g/m²)
発生期待本数とは
高知県の種子配合一覧表は、発生期待本数(本/m²)を「播種後1年位の間に地表上に芽を出す個体の総数を指す。被圧等による枯損する数も含む値である」としています。
四国地方整備局の手引きは、発生期待本数を「播種量の算出の基礎となるもの」とし、播種適期に播種したときの播種後1年間に発芽する総本数としています。成立本数とは異なり、発芽後は自然淘汰によって本数が徐々に減り、立地に適合した密度に落ち着きます。そのため、自然淘汰による本数の減少が多い植物では多く、少ない植物では少なく設定します。
高知県の種子配合一覧表の例(低地・春期)
高知県の林道法面保護工設計指針の別冊資料(令和6年4月)は、種子吹付工と植生基材吹付工のそれぞれに、高地(標高 700 m 以上)・低地(700 m 未満)と春期・秋期の発生期待本数を定めています。そのうち低地・春期の列です。
| 種子名 | 一覧表の区分 | 種子吹付工 本/m² | 植生基材 吹付工 本/m² |
|---|---|---|---|
| トールフェスク | 草木類 | 900 | 600 |
| クリーピングレッドフェスク | 草木類 | 500 | 330 |
| バミューダグラス | 草木類 | 900 | 600 |
| メドハギ | 草木類 | 480 | 320 |
| ヨモギ | 草木類 | 100 | 70 |
| ススキ | 草木類 | 50 | 30 |
| イタドリ | 草木類 | 0 | 0 |
| ヤマハギ(皮取) | 木本類 | 50 | 35 |
| ヤマハギ(皮付) | 木本類 | 0 | 0 |
| ヤシャブシ | 木本類 | 20 | 15 |
| 合計 | 3,000 | 2,000 |
一覧表の区分「草木類」の種子(トールフェスクからイタドリ)は、別冊資料の「発芽可能な有効厚さ」の表で草本類A・草本類Bに分けられています。このアプリで計算するときは、区分に草本類を選びます(施工時期の補正率 D は草本類の列)。発生期待本数が 0 の種子は、その時期には配合しない種子で、播種量も 0 です。
一覧表には「種子が確保できない等の理由がある場合は受発注者で協議の上、代替植物の種子を配合し、緑化に努めること」とあります。代わりの種子を使うときも、発生期待本数を決めてから、この式で播種量を求めます。
ほかの資料の発生期待本数
新潟県の特記仕様書の計算例は、低木林型が5草種で合計 400 本/m²(クリーピングレッドフェスク 150・ケンタッキーブルーグラス 50・ヨモギ 50・メドハギ 50・ヤマハギ 100)、草地型が4草種で合計 2,500 本/m² です。各種ごとの発生期待本数は、道路土工-切土工・斜面安定工指針の参表 8-5 の値を目安とするとしています。
四国地方整備局の手引きの表 2-9-6(道路土工-のり面工・斜面安定工指針 平成11年3月 の抜粋)は、低木林型の目安をヤシャブシ 100〜200・ヤマハギ 50〜100・コマツナギ 30〜80 本/m² などとし、主構成種を2〜3種、補全種を2〜3種選ぶとしています。
同じ発生期待本数でも、単位粒数 F の小さい(粒の大きい)種子ほど播種量は多くなります。新潟県の計算例では、ヤマハギ(F=130 粒/g)は 100 本/m² で 3.66 g/m²、クリーピングレッドフェスク(F=1,000 粒/g)は 150 本/m² で 0.43 g/m² です(吹付厚 3 cm)。
出典
- 高知県 林業振興・環境部 治山林道課「高知県林道法面保護工設計指針 別冊資料」(令和6年4月): 【資料-1】種子配合一覧表(低地・春期の A)と A の定義・-4- の発芽可能な有効厚さの表
- 新潟県土木部「植生基材吹付工特記仕様書 t=3cm以上」(平成25年4月): 3.(13) の A・5.(1) 播種量の計算例
- 国土交通省 四国地方整備局 四国技術事務所「在来木本類(播種)による法面緑化の手引き(案)」(平成14年3月)第2章 2-9: 2-9-1 解説(2)(発生期待本数)・表 2-9-6(低木林型の目安)
種子配合一覧表は丸ごと載せていません。低地・春期の列だけを引いています。
発生期待本数と補正率から種子の量(g/m²)