冷媒ごとの(充塡量 − 回収量)× GWP を合計して 1,000 で割ります。
計算式
フロン類算定漏えい量報告マニュアル(第Ⅱ編 3.1)の式です。
- 整備時充塡量(kg): 機器を整備したときに充塡した冷媒の量。充塡証明書の量です。
- 整備時回収量(kg): 機器を整備したときに回収した冷媒の量。回収証明書の量です。
- 充塡量 − 回収量: 実漏えい量(kg)といいます。報告書には、冷媒ごとに実漏えい量も記入します。
- GWP: 地球温暖化係数。冷媒 1 t が CO2 何 t にあたるかを表す数です(単位 t-CO2/t)。
- 冷媒番号区分: R-22・R-410A のような冷媒番号ごとの区分です。同じ冷媒番号の量をまとめてから GWP を掛けます。
- ÷ 1,000: kg × GWP は kg-CO2 なので、1,000 で割って t-CO2 にします。
計算の例
マニュアルの算定例(第Ⅳ編 表Ⅳ-1-2)の数で計算します。GWP は2023年度実績からの値です。
- R-410A を 500 kg 充塡し、回収が無い: 充塡した量がそのまま漏えい量になります(マニュアルの図Ⅱ-3-1 のパターン②)。
- R-22 を 400 kg 回収して 500 kg 充塡した: 回収量を引いた 100 kg が漏えい量です(パターン①=全量を回収して充塡し直した場合)。
- R-404A を 0.1 kg 充塡: 1 kg 未満でも小数のまま計算します。
- R-22 を 20 kg 回収し、充塡が無い: マイナスのまま計算します。
1 kg あたりで見ると、R-410A は 1 kg の漏えいで 1.92 t-CO2 です。GWP が大きい冷媒ほど、同じ kg でも算定漏えい量が大きくなります。
冷媒ごとに合計してから GWP を掛ける
式は、冷媒番号区分ごとに充塡量と回収量を合計してから GWP を掛けます。上の製造業者の例では、R-22 の行は(500 − 400)と(0 − 20)なので、R-22 の実漏えい量は 80 kg、算定漏えい量は 80 × 1,760 ÷ 1,000 = 140.8 t-CO2 です。行ごとに計算して合計しても(176 − 35.2)、同じ値になります。
冷媒ごとの算定漏えい量を合計した 1,140.594 t-CO2 が、その事業者の算定漏えい量です(表Ⅳ-1-3 の全国計)。報告書では、冷媒ごと・都道府県ごとの値も記入します。
端数の扱い
マニュアルは「計算の過程では小数点の切捨てや四捨五入はしません」としています(第Ⅳ編 1.1(4))。このアプリも、入力した kg の小数をそのまま使い、算定漏えい量を丸めずに表示します。報告書に記入するときは、記載欄ごとに小数点以下を切り捨てた整数にします(報告書の端数は「算定漏えい量の報告」のページ)。
算定に含める充塡・回収
算定漏えい量に含めるのは、整備のときの充塡と回収だけです。新設や、管理者が変わる移設のための設置のときの充塡(充塡証明書の記載事項⑧が「設置」)と、廃棄のときの回収(引取証明書に記載された回収量)は含めません(第Ⅱ編 3.1)。このため、最後に充塡してから廃棄するまでに漏えいした量は、算定の対象になりません。
期間は、報告の対象の年度の4月1日から3月31日までに充塡した物です(第Ⅱ編 3.3)。
出典
- 環境省・経済産業省「フロン類算定漏えい量報告マニュアル Ver. 2.96」(令和8年8月): 第Ⅱ編 3.1 の算定式(Ⅱ-21)と図Ⅱ-3-1・3.3(対象の期間)・第Ⅳ編 1.1(4)(端数)と表Ⅳ-1-2・Ⅳ-1-3(製造業者の算定例)
- 環境省 フロン排出抑制法ポータルサイト「算定漏えい量の算定方法」: 充塡証明書・回収証明書から算定すること・対象の期間・設置時の充塡と廃棄時の回収は対象外