1,000 t-CO2 以上の事業者が、毎年度7月末日までに報告します。
報告が必要な事業者
フロン排出抑制法 第19条は、第一種特定製品(業務用のエアコンと冷凍冷蔵機器)の管理者のうち、算定漏えい量が多い事業者に、毎年度の報告を求めています。フロン類算定漏えい量等の報告等に関する命令 第3条は、報告が必要な事業者を、算定漏えい量が 1,000 t-CO2 以上の者と定めています。この事業者を特定漏えい者といいます(マニュアル Ⅱ-1)。
- 算定漏えい量は事業者全体(法人単位)で合計します。グループの会社でも、ほかの法人とまとめて報告することはできません。
- フランチャイズチェーンの本部(連鎖化事業者)は、加盟店との約款などで機器の管理を決めている場合、加盟店が管理する機器の漏えいも報告に含めます。
- 1つの事業所で 1,000 t-CO2 以上の事業所は特定事業所といい、事業者全体の報告に加えて、その事業所の漏えい量も報告します。
報告が必要なのは 1,000 t-CO2 以上の事業者だけですが、1,000 t-CO2 以上かどうかを見極めるため、すべての第一種特定製品の管理者が算定漏えい量を算定することが基本です。
1,000 t-CO2 になる量の目安
1種類の冷媒だけを充塡し、回収が無かった場合に、算定漏えい量が 1,000 t-CO2 になる充塡量です(1,000 × 1,000 ÷ GWP)。
| 冷媒 | GWP | 1,000 t-CO2 に なる量(kg) |
|---|---|---|
| R-404A | 3,940 | 約 253.8 |
| R-410A | 1,920 | 約 520.8 |
| R-22 | 1,760 | 約 568.2 |
| R-407C | 1,620 | 約 617.3 |
| R-134a | 1,300 | 約 769.2 |
| R-448A | 1,270 | 約 787.4 |
| R-32 | 677 | 約 1,477.1 |
マニュアルは、算定漏えい量が 1,000 t-CO2 以上になる目安として、延床面積 10,000 m² 程度の総合スーパーなどを6店舗以上、1,500 m² 程度の食品スーパーを8店舗以上、200 m² 程度のコンビニエンスストアを80店舗以上、延床面積 10,000 m² 程度の商業ビルを28棟以上管理する事業者などを挙げています。これに当てはまらなくても報告が要らないとは限らないので、算定して確かめます。
報告の期限と提出先
特定漏えい者は、前の年度の算定漏えい量を、毎年度7月末日までに報告します(命令 第4条)。提出先は、その事業を所管する大臣(事業所管大臣)です。事業が複数の業種にあたるときは、該当する全部の事業所管大臣に同じ内容を報告します。報告書は、EEGS(省エネ法・温対法・フロン法電子報告システム)でも提出できます(マニュアル 第Ⅲ編 2)。
報告書に記入する値(端数)
報告書(様式第1 第1表)には、冷媒の種類ごとに算定漏えい量(t-CO2)と実漏えい量(kg)を記入し、算定漏えい量の合計も記入します。事業者全体の欄と、都道府県ごとの欄があります。
- 計算は小数点以下を残したまま行い、記入するときに小数点以下を切り捨てた整数にします。
- 切り捨ては記載欄ごと(都道府県ごと・冷媒ごと・それぞれの合計ごと)に行い、合計は合計してから切り捨てます。
- −1 より大きく 1 未満の値は 0 と記入します。マイナスの値は、0 に近い方へ切り捨てます(−387.3 は −387)。
- 充塡も回収もしていない欄は、空欄にします。
マニュアル(第Ⅲ編 Ⅲ-20)の記入例を、このアプリの計算の中身で切り捨てた値です。
| 記載欄 | 実際の漏えい量 | 報告書への記入値 |
|---|---|---|
| 特定漏えい者全体・R-404A の算定漏えい量 | 975.2 | 975 |
| 特定漏えい者全体・合計 | 2,065.9 | 2,065 |
| A県・R-404A の算定漏えい量 | 1,361.7 | 1,361 |
| A県・合計 | 2,451.8 | 2,451 |
| B県・R-404A の算定漏えい量 | −387.3 | −387 |
| B県・R-404A の実漏えい量(kg) | −98.3 | −98 |
| B県・R-410A(充塡も回収も無い) | 無し | 空欄 |
| C県・R-404A の算定漏えい量 | 0.8 | 0 |
| C県・R-404A の実漏えい量(kg) | 0.2 | 0 |
| C県・R-410A の算定漏えい量 | 0.6 | 0 |
| C県・R-410A の実漏えい量(kg) | 0.3 | 0 |
| C県・合計 | 1.4 | 1 |
切り捨てるので、表の縦と横の合計が、記入した数の合計と合わないことがありますが、問題ありません。C県の算定漏えい量は R-404A の 0.8 も R-410A の 0.6 も 0 と記入しますが、C県の合計 1.4 は 1 と記入します。製造業者の算定例(表Ⅳ-1-4)でも、神奈川県の R-404A は 0.394 t-CO2・0.1 kg なので 0 と記入し、神奈川県の合計 1,136.394 t-CO2 は 1,136 t-CO2 と記入します。
このアプリの「計算の内訳」の「報告書に記入する値」は、入力した行をまとめて1つの記載欄とみなして切り捨てた値です。都道府県ごとの欄は、その都道府県の機器の行だけを入力して計算します。
集計と公表
報告された算定漏えい量は、国が集計して公表します。令和6年度分の集計(令和8年2月27日公表)では、378 の特定漏えい者が報告しました。
出典
- 環境省・経済産業省「フロン類算定漏えい量報告マニュアル Ver. 2.96」(令和8年8月): 第Ⅱ編 1.1(特定漏えい者・特定事業所と 1,000 t-CO2 の目安)・第Ⅲ編 2(EEGS)と 3.2.1(3)(報告値の切り捨てと空欄=Ⅲ-20)・第Ⅳ編 表Ⅳ-1-4・付録の命令 第4条(7月末日)
- 環境省・経済産業省「フロン排出抑制法に基づく報告情報の集計結果(令和6年度分)」(令和8年2月27日 報道発表): 令和6年度分の特定漏えい者の数(378)