積載土量 q は、許容積載質量を地山の単位体積質量で割った土量です。
車種・土質・運搬距離から、1時間の運搬土量と台数
積載土量の式
q は1台当たり積載土量(m³)、W はダンプトラックの許容積載質量(t)、w は地山の単位体積質量(t/m³)です。ダンプに積める量は重さで決まるので、重い土質ほど積める体積は少なくなります。q は地山の土量で、掘る前の地盤の体積に直した量です。
標準歩掛の積載土量の表
標準歩掛は「q の値は、次表による。」として、車種と土質ごとの q を与えています。表の数は地山の土量(m³)です。この計算は、表の車種を選ぶとこの値をそのまま使います。
| 土質 | 2t車 | 4t車 | 6t車 | 8t車 | 10t車 | 地山の単位体積質量(kN/m³) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 粘性土・砂・砂質土・礫質土 | 1.1 | 2.2 | 3.3 | 4.4 | 5.3 | 18 |
| 軟岩 | 0.9 | 1.8 | 2.7 | 3.6 | 4.3 | 22 |
| アスファルト・コンクリート塊 | 0.8 | 1.7 | 2.5 | 3.3 | 4.0 | 24 |
| 硬岩 | 0.8 | 1.6 | 2.4 | 3.2 | 3.8 | 25 |
10t ダンプに積める地山の土量は、粘性土・砂・砂質土・礫質土で 5.3 m³、硬岩では 3.8 m³です。表の備考は、車種は現場条件等を考慮して決めること、地山以外のルーズな土質の積載土量は実態に応じて換算することとしています。
表の値と W ÷ w の関係
2t車〜8t車の欄は、車種のトン数を W、地山の単位体積質量の欄の数の 1/10(18 kN/m³ なら 1.8 t/m³)を w として割り、小数第1位に四捨五入した値と一致します。例えば4t車の粘性土・砂・砂質土・礫質土は 4 ÷ 1.8 = 2.22… → 2.2 m³、4t車のアスファルト・コンクリート塊は 4 ÷ 2.4 = 1.66… → 1.7 m³です。
10t車の欄だけは 10 ÷ w より小さい値です。粘性土・砂・砂質土・礫質土の 5.3 m³は、10 ÷ 1.8 = 5.55… ではなく、9.54 t ÷ 1.8 に当たります。表の車種を選んだときは、10t車も表の値で計算します。
表に無い車(その他)
3t車や11t車のように表に無い車は「その他」を選び、許容積載質量 W を入力します。w は表と同じ 1.8・2.2・2.4・2.5 t/m³ で、丸めは表の2t車〜8t車と同じ小数第1位(四捨五入)です。例えば 3.5 t・粘性土・砂・砂質土・礫質土なら 3.5 ÷ 1.8 = 1.94… → 1.9 m³です。次の表の数は、表に無い車の q(m³・地山の土量)の例です。
| 許容積載質量 W | 粘性土・砂・砂質土・礫質土 | 軟岩 | アスファルト・コンクリート塊 | 硬岩 |
|---|---|---|---|---|
| 3 t | 1.7 | 1.4 | 1.3 | 1.2 |
| 3.5 t | 1.9 | 1.6 | 1.5 | 1.4 |
| 11 t | 6.1 | 5.0 | 4.6 | 4.4 |
河川土工マニュアルの「地山の密度と積載土量(11t級)」の表は、10〜11t車の積載土量を土砂 6.1 m³・軟岩 5.0 m³・硬岩 4.4 m³ としており、11 t を地山の密度 1.8・2.2・2.5 t/m³ で割った上の表の値と同じです。表に無い車は α の表も無いので、サイクルタイムを運搬距離から求めるときは α も入力します。
発注者ごとの表の違い(10t車で 5.3 m³ と 5.5 m³)
長崎県の残土処分地の注意事項は、ダンプトラックの積載土量(地山土量)換算値を、10t車で土砂 5.5 m³・軟岩 4.5 m³・硬岩 4.0 m³ としています。10 t を表の地山の単位体積重量 1.8・2.2・2.5 t/m³ で割り、小数第1位を切り捨てた値と一致します。農林水産省のダム工事積算指針は、q を公称積載量 ÷ 土の単位体積重量(自然状態)とし、有効数字の第3位を切り捨てて2桁にするとしています。
同じ10t ダンプ・土砂でも、標準歩掛の表は 5.3 m³、長崎県の表は 5.5 m³ です。ダム工事積算指針の求め方で 10 t を 1.8 t/m³ で割っても、10 ÷ 1.8 = 5.55… を有効数字2桁に切り捨てて 5.5 m³ になります。発注者の積算基準が決まっているときは、その基準の積載土量を使ってください。運搬土量 Vt は q に比例するので、q が 5.5 m³ なら、5.3 m³で計算した運搬土量の 5.5 ÷ 5.3 ≒ 1.04 倍です。
ほぐした土を積むとき
掘った土はほぐれて体積が増えます。河川土工マニュアルは、最大積載重量のときのほぐした状態の容積(V = T × L ÷ γ1。T は最大積載重量、L は土量変化率、γ1 は地山の湿潤密度)と、荷台の平積容量(荷台長 × 荷台幅 × 荷台高)を比べ、小さい方を1回の積載土量にするとしています。荷台に入りきらない軽い土では、重さより荷台の大きさで積める量が決まることがあります。
この計算の q と運搬土量は地山の土量です。仮置きした土(ルーズな土)を積むときは、標準歩掛の備考のとおり実態に応じて換算してください。
出典
車種・土質・運搬距離から、1時間の運搬土量と台数