甲種・乙種・丙種の風圧荷重と、氷雪荷重を合わせた合成荷重の式です。
風圧荷重の種類(電気設備の技術基準の解釈 第58条)
電線には、自重と氷雪による垂直の荷重と、強い風による水平の荷重(風圧荷重)が加わります。電気設備の技術基準の解釈 第58条は、風圧荷重を次の3つに分けています(日本電気技術者協会の解説より)。
- 甲種風圧荷重: 電線の垂直投影面積 1 m² につき 980 Pa(風速 40 m/s)
- 乙種風圧荷重: 電線の周囲に厚さ 6 mm・比重 0.9 の氷雪が付いた状態で、垂直投影面積 1 m² につき 490 Pa
- 丙種風圧荷重: 甲種風圧荷重の 1/2(490 Pa)
どれを使うかは、地方と季節で決まります。
| 地方 | 高温季 | 低温季 |
|---|---|---|
| 氷雪の多い地方以外の地方 | 甲種 | 丙種 |
| 氷雪の多い地方(下の地方を除く) | 甲種 | 乙種 |
| 氷雪の多い地方のうち、海岸地その他の低温季に最大風圧を生ずる地方 | 甲種 | 甲種か乙種の大きい方 |
人家が多く連なっている場所の低圧・高圧の架空電線路などは、甲種・乙種に代えて丙種を使えます。
風圧荷重と氷雪荷重の式
風圧(Pa)に、風を受ける幅(m)を掛けたものが、電線 1 m 当たりの風圧荷重(N/m)です。乙種は氷雪が付いた外径(h + 12 mm)で風を受けます。氷雪荷重は、外径 h の電線のまわりに付いた厚さ 6 mm の氷雪の断面積(mm²)に、比重 0.9・9.8・10⁻³ を掛けた値(1 m 当たりの氷雪の重さ)です。日本電気技術者協会の解説の式 9.8 × 0.9π(D + 6)× 6 × 10⁻³ も同じ値になります。
より線の外径は、7本よりで素線の径の3倍、19本よりで5倍です。日本電気技術者協会の解説の過去問の電線(55 mm² は素線 3.2 mm・7本より、150 mm² は素線 3.2 mm・19本より)で風圧荷重を計算すると、次のとおりです(甲種・乙種の値の単位は N/m)。
| 素線 | 外径 | 甲種 | 乙種 |
|---|---|---|---|
| 3.2 mm × 7本 | 9.6 mm | 9.41 | 10.58 |
| 3.7 mm × 7本 | 11.1 mm | 10.88 | 11.32 |
| 3.2 mm × 19本 | 16 mm | 15.68 | 13.72 |
日本電気技術者協会の解説の過去問の解答は、素線 3.2 mm・7本よりの乙種 10.6 N、素線 3.7 mm・7本よりの甲種 10.9 N・乙種 11.3 N、素線 3.2 mm・19本よりの甲種 15.7 N・乙種 13.72 N です(表の値を丸めた値と同じ)。
合成荷重
合成荷重は、垂直の荷重(自重 9.8m、乙種はそれに氷雪荷重 W2 を加えた値)と、水平の風圧荷重 W1 のベクトル和です(日本電線工業会の資料の式①②、日本電気技術者協会の解説の式(5)(6))。
日本電線工業会の資料の実計算例(外径 20 mm・0.3 kg/m)では、甲種が √(19.60² + 2.94²)= 19.82 N/m、乙種が風圧荷重 15.68 N/m・垂直の荷重 2.94 + 4.32 = 7.26 N/m から 17.28 N/m、氷雪なしの 490 Pa が 10.23 N/m です(資料の値は 19.82・17.28・10.23)。
乙種では、自重に氷雪荷重 W2 を加えた値が垂直の荷重になり、風を受ける幅も氷雪の分だけ広がります。日本電線工業会の資料は、光ファイバケーブルの風圧荷重に空気抵抗係数 K1 を掛け、その値はメーカーに問い合わせるとしています(実計算例は K1 = 1)。このアプリは K1 = 1 で計算します。
出典
- 日本電気技術者協会「送配電線の風圧荷重とたるみ、支線強度の計算」(このページで引いた所: 1章 第58条の風圧荷重と第1表・式(1)〜(6)・4章 (1)〜(3) の例)
- 日本電線工業会 技術資料 技資第147号A「光ファイバケーブルの弛度計算について」(2015年2月改訂)(このページで引いた所: 2-1 風圧条件の表・2-2 式①②・3 実計算例の合成荷重・空気抵抗係数 K1)
資料の文は写していません。式と、例の数と、資料の名前だけを引いています。