説明

電線の張力の計算(弛度から水平張力・許容引張荷重)

弛度から水平張力を求める式と、許容引張荷重の考え方です。

弛度から水平張力を求める

弛度の式を張力について解くと、測った弛度から電線の水平張力が求められます。このアプリの「弛度から張力」はこの式です。

T = W S² ÷(8D) T: 水平張力(N)・W: 1 m 当たりの荷重(N/m) S: 径間(m)・D: 弛度(m)

例: 重量 0.3 kg/m(自重 2.94 N/m)・径間 50 m で、弛度が 0.20 m なら、T = 2.94 × 50² ÷(8 × 0.2)= 4,594 N です。日本電線工業会の資料の架線張力 4,612 N と少し違うのは、資料の弛度 0.20 m が丸めた値(丸める前は 0.1992 m)だからです。弛度を cm まで丸めると、張力はこのくらい変わります。

同じ電線・同じ径間で、弛度ごとの水平張力は次のとおりです。弛度を半分にするには、張力を2倍にします。

弛度水平張力
0.10 m9,188 N
0.20 m4,594 N
0.30 m3,063 N
0.50 m1,838 N

許容引張荷重(引張強さ ÷ 安全率)

設計のときの水平張力には、電線の引張強さ Tn を安全率 f で割った値を使います(日本電気技術者協会の解説の式(8))。

T = Tn ÷ f Tn: 電線の引張強さ(N)・f: 安全率

高圧架空電線(ケーブルを除く)の安全率は、硬銅線・耐熱銅合金線で 2.2 以上、その他の電線で 2.5 以上です(電気設備の技術基準の解釈 第66条)。

例: 引張強さ 58.9 kN の硬銅線で安全率 2.2 なら、T = 58.9 ÷ 2.2 = 26.77 kN です。合成荷重 20.67 N/m・径間 250 m のときの弛度は 6.03 m です(日本電気技術者協会の解説の例)。

光ファイバケーブルでは、最悪の風圧荷重の条件での許容張力を、吊り線が 0.2% 伸びたときの張力以下にします(日本電線工業会の資料 2-4)。どちらの場合も、このアプリは張力を入力として受け取るだけで、強度の判定はしません。

出典

資料の文は写していません。式と、例の数と、資料の名前だけを引いています。

電線の弛度を計算する