現場マスター

電波の強度の計算

送信機出力・利得・距離から、電力束密度と電界強度を計算し、基準値と比べます。

電力束密度・電界強度と基準値

周波数

送信する電波の周波数を MHz で入力します(2.4 GHz は 2400 MHz)。基準値は周波数で変わります(電波法施行規則 別表第2号の3の3)。

30 MHz 以下は電界強度(V/m)に換算して比べ、30 MHz を超えると電力束密度(mW/cm²)で比べます(平成11年郵政省告示第300号)。

10 MHz 以下は、瞬時値の基準値(83 V/m)とも比べます。10 kHz 以下と 300 GHz を超える周波数は、基準値の表に無いので計算しません。

送信機出力

送信機出力から、給電線の損失と不整合損を減じたものが空中線入力電力 P です(平成11年郵政省告示第300号)。

空中線入力電力が分かっているときは、その値を送信機出力の欄に入力し、給電線損失は空欄にします。

給電線損失

給電線(同軸ケーブルなど)の損失です。例: 96 W・3 dB → 48.1 W、100 W・1.5 dB → 70.8 W(手引の算出例)。

空欄は 0 dB(損失を引かない)として計算します。電波の強度は大きめに計算されます。

アンテナの利得

アンテナの主輻射方向の絶対利得です。基本算出式は、どの方向でも主輻射方向の利得を使います。算出結果は過大になることはあっても、過小にはなりません(手引 p.9)。

相対利得(dBd)は 2.15 を加えて絶対利得(dBi)にします(東北総合通信局の電界強度計算表)。「倍」は絶対利得を電力比で表した数です(2.15 dBi は 1.64 倍)。

算出地点までの距離

算出地点までの距離

距離 R は、送信空中線から算出地点までの距離です。

算出は、人が通常、集合し、通行し、その他出入りする場所の、大地等の上方 10 cm(300 MHz 未満は 20 cm)から 200 cm までの範囲で行い、その最大値を求めます(告示第300号 3)。

高い所のアンテナでは、空中線に最も近い 200 cm の点が最大になります。「高さと水平距離から」を選ぶと、R = √((高さ − 2)² + 水平距離²)で計算します(手引の算出例2)。

大地面の反射・平均電力率 1

周波数・送信機出力・利得・距離を入力すると計算します。

詳しい設定

反射の扱い(反射係数 K)

反射の扱い(反射係数 K)

反射係数 K は、平成11年郵政省告示第300号の値です。大地面の反射を考慮する場合は 76 MHz 以上で 2.56、76 MHz 未満で 4。水面等大地面以外の反射を考慮する場合は 4。すべての反射を考慮しない場合は 1。

算出地点が地上なら、大地面の反射を考慮します(手引の算出例1・2)。地中埋設型基地局(K = 6)は、この計算では扱いません。

平均電力率(換算比)

空中線入力電力には平均電力を使うことができます(手引 p.2)。無線設備規則の換算比を掛けた平均電力で、電波の型式が A1A なら 0.5、J3E なら 0.16 です。型式が複数あるときは大きい方を使います(手引の算出例2)。

A1A と J3E 以外の型式(A3E・F1D・F3E など)が送信できるとき、分からないときは 1 です(東北総合通信局の電界強度計算表・留意事項)。

10 MHz 以下の瞬時値の基準値(83 V/m)と比べるときは、平均電力率を掛けません。

付近の建造物による強い反射(+6 dB)

算出地点付近にビル、鉄塔、金属物体等の建造物があり、強い反射を生じさせるおそれがある場合は、算出した電波の強度の値に 6 dB を加えます(告示第300号 4)。

6 dB は、電力束密度で約 3.98 倍、電界強度で約 2.00 倍です。

反射係数 K と 6 dB は平成11年郵政省告示第300号、平均電力率は東北総合通信局の電界強度計算表の値です。

計算の内訳