種類・内径・ロッド径・使用圧力・負荷率を入力すると、押出し側と引込み側の推力を表示します。
内径と使用圧力から押出し・引込みの推力
入力のしかた
- 「種類」で、エアシリンダか油圧シリンダを選びます。エアシリンダはSMC「エアシリンダの機種選定」技術資料(資料1 チューブ内径の選定・資料3 理論出力表)の式、油圧シリンダは日進 参考資料(油圧の計算式)の式で計算します。推力は、エアシリンダは N、油圧シリンダは kN で表示します。
- チューブ内径 D(油圧シリンダはシリンダ内径)と、ピストンロッド径 d(油圧シリンダはロッド径)を mm で入力します。ピストンロッド径が空欄のときは、押出し側だけを計算します。
- 使用圧力 P を MPa で入力します。圧力計や資料の値が kgf/cm² のときは、1 kgf/cm² ≒ 0.098 MPa で MPa に直してから入力します(SMC の換算)。
- エアシリンダは負荷率 η を、油圧シリンダはシリンダ効率 η を選びます。負荷率は作業の目的で決めます(「エアシリンダの推力と負荷率」の話題に書きました)。
計算結果の読み方
- いちばん上の大きな数は、押出し側の推力 F1 です。負荷率(シリンダ効率)を掛けた値で、負荷がこの値以下になるようにシリンダを選びます。
- その下に、引込み側の推力 F2 と、理論出力(負荷率を 1 にした値)を表示します。負荷率に 1 を選んだときは、推力と理論出力が同じなので、理論出力の行は表示しません。
- 「≒」の後ろの数は、推力を kgf に直した値です。1 kgf = 9.80665 N で換算し、有効数字3桁に丸めています。
- 「計算の内訳」には、受圧面積の計算と、入力した数を式に当てはめた計算を表示します。電卓で同じ計算を確かめられます。
例: チューブ内径 50 mm のエアシリンダ
チューブ内径 50 mm・ピストンロッド径 20 mm・使用圧力 0.5 MPa・負荷率 0.5 で計算すると、次のとおりです。
A1 = π/4 × 50² = 1,963.5 mm²
A2 = π/4 × (50² − 20²) = 1,649.3 mm²
F1 = 0.5 × 1,963.5 × 0.5 = 490.9 N(≒ 50.1 kgf)
F2 = 0.5 × 1,649.3 × 0.5 = 412.3 N(≒ 42.0 kgf)
理論出力は、押出し側 981.7 N・引込み側 824.7 N です。SMC の資料3「理論出力表」の、チューブ内径 50 mm・ロッド径 20 mm・0.5 MPa の欄は、押出し側(OUT)980 N・引込み側(IN)825 N です。表は受圧面積を有効数字3桁に丸めてから計算しているので、末尾の数が少し違います。
表示される注意
- エアシリンダで使用圧力が 1.0 MPa を超えると、「使用圧力が 1.0 MPa を超えています。」と表示します。SMC の理論出力表の使用圧力は 0.2〜1.0 MPa です。kgf/cm² の数をそのまま入力していないか、確かめてください。
- 油圧シリンダで使用圧力が 1 MPa より低いと、最低使用圧力のめやすより低いと表示します。ダイキンの資料は、めやすをヘッド側 0.5 MPa・ロッド側 1 MPa としています。
- ピストンロッド径がチューブ内径と同じか大きいと、引込み側の受圧面積が 0 以下になるので計算しません。
- 数でない字・0・負の数は計算しません。どの欄を直せばよいかを表示します。
表示の桁
推力(N・kN)は有効数字4桁、受圧面積(mm²・cm²)は有効数字5桁で四捨五入して表示します。受圧面積を1桁多く表示するのは、「計算の内訳」の式を電卓で追ったときに、推力の4桁が同じになるようにするためです。整数の部分は丸めないので、1,000 N 以上は整数で表示し、12,345 N のような大きな数も全部の桁を表示します。
出典
内径と使用圧力から押出し・引込みの推力