説明

シリンダー推力の計算式(押出し側・引込み側の受圧面積)

推力は、受圧面積 × 使用圧力 × 負荷率です。引込み側はロッドの断面積の分だけ小さくなります。

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内径と使用圧力から押出し・引込みの推力

シリンダ出力の式(SMC 資料1)

SMC「エアシリンダの機種選定」技術資料(資料1 チューブ内径の選定・資料3 理論出力表)の資料1「チューブ内径の選定」は、「シリンダ出力、チューブ内径と使用圧力の関係は次の式で表わすことができます。」として、複動形シリンダの出力を次の式で表しています。

F1 = η × A1 × P(押出し側) F2 = η × A2 × P(引込み側)

推力(シリンダ出力)は、ピストンが圧力を受ける面積(受圧面積)に使用圧力を掛け、負荷率 η を掛けた値です。1 MPa は 1 N/mm² なので、受圧面積を mm²、使用圧力を MPa にして計算すると、推力は N で求まります。

受圧面積の求め方

A1A2ヘッド側ロッド側押出し F1引込み F2A1 = π/4 × D²(ヘッド側)A2 = π/4 × (D² − d²)(ロッド側)
複動形・片ロッドのシリンダ。押出しはヘッド側、引込みはロッド側に圧力を掛けます。
A1 = π/4 × D²(押出し側) A2 = π/4 × (D² − d²)(引込み側)

押出し側の受圧面積 A1 は、チューブ内径 D の円の面積です。引込み側は、ピストンの片側にピストンロッドがあるので、その断面積の分だけ受圧面積が小さくなります。SMC の資料は「複動片ロッド形シリンダの引込み側受圧面積はピストンロッドの断面積分小さくなります。」と書いています。

例えば、チューブ内径 50 mm・ピストンロッド径 20 mm なら、A1 = π/4 × 50² = 1,963.5 mm²、A2 = π/4 × (50² − 20²) = 1,649.3 mm² です。同じ使用圧力なら、引込み側の推力は押出し側の 84.0% です(A2 ÷ A1 = 1 − (d ÷ D)²)。

SMC の受圧面積の表と比べる

SMC の資料1 には、チューブ内径とピストンロッド径ごとの受圧面積の表(表-1)があります。この計算は表を使わず、上の式で毎回計算します。いくつかの径で比べると、次のとおりです(D/d はチューブ内径とピストンロッド径 mm、受圧面積は mm²)。

D/dA1 計算表-1A2 計算表-1
20/8314.16314263.89264
32/12804.25804691.15691
40/161,256.61,2601,055.61,060
50/201,963.51,9601,649.31,650
63/203,117.23,1202,803.12,800
100/307,854.07,8507,147.17,150

この6つの径では、表-1 の数は計算した値を有効数字3桁に丸めた数と同じです。例えばチューブ内径 50 mm の A1 は 1,963.5 mm² で、表-1 では 1,960 mm² です。ピストンロッド径はシリーズで違うので、SMC の資料も「ピストンロッド径は、外形寸法図で確認ください。」としています。

kN と cm² で計算するとき(油圧の式)

日進 参考資料(油圧の計算式)は、シリンダ出力を F = P・A・η/10 と書いています(F は kN、P は MPa、A は cm²、η はシリンダ効率)。1 MPa は 100 N/cm² なので、cm² × MPa は 100 N、つまり 0.1 kN です。÷ 10 はこの換算で、SMC の式と同じ計算になります。

例えば、チューブ内径 50 mm の A1 は 19.635 cm² なので、0.5 MPa・η = 0.5 なら F = 0.5 × 19.635 × 0.5 ÷ 10 = 0.4909 kN です。SMC の式の 490.9 N と同じ値です。

理論出力

SMC の資料は「シリンダに抵抗がまったくないものと考え、受圧面積に使用圧力だけを乗じて算出したシリンダ出力を理論出力と呼びます。」としています。式では η = 1 にした値です。実際のシリンダには抵抗があるので、選定には負荷率を掛けた推力を使います。

出典

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