幹線の電線に要る許容電流を、電動機等の電流の倍率で求めます。
幹線の電線の太さは、許容電流で決めます。要る許容電流の決まりは、電気設備の技術基準の解釈 第148条第1項第二号です。電動機は起動のときに大きな電流が流れるので、電動機等が多い幹線は定格電流の合計より太い電線にします。
第148条第1項第二号の決まり
電線の許容電流は、低圧幹線の各部分ごとに、その部分を通じて供給される電気使用機械器具の定格電流の合計値以上です。ただし、電動機等の定格電流の合計が、他の電気使用機械器具の定格電流の合計より大きい場合は、他の電気使用機械器具の定格電流の合計に次の値を加えた値以上です。
「大きい場合」なので、電動機等と他の負荷の合計が同じときは、倍率を掛けずに合計そのままです。50 A ちょうどは「50A以下」で 1.25 倍です。
例
第二種電気工事士の令和6年度上期 問9(電熱器 10 A・電動機 20 A × 2)は、電動機の合計 40 A が電熱器の 10 A より大きく 50 A 以下なので、10 + 1.25 × 40 = 60 Aです(正答の IW 60)。令和8年度上期 問9(三相の電動機 10 A・電熱器 15 A と 20 A)は、電動機の合計の方が小さいので、合計そのままの 45 Aです(正答 45)。
次の表の1行目と2行目が試験の2問、3行目は電動機等と他の負荷が同じとき、4行目と5行目は 50 A の境目です。
| IM | IH | 式 | 要る IW |
|---|---|---|---|
| 40 A | 10 A | IH + 1.25 × IM | 60 A |
| 10 A | 35 A | IM + IH | 45 A |
| 20 A | 20 A | IM + IH | 40 A |
| 50 A | 0 A | IH + 1.25 × IM | 62.5 A |
| 50.01 A | 0 A | IH + 1.1 × IM | 55.02 A |
| 80 A | 20 A | IH + 1.1 × IM | 108 A |
表の数は、計算の画面と同じ計算でこのページを作るときに求めた値です。要る許容電流は小数2桁に切り上げて表示しています。
電動機等 80 A・他 20 A は、80 A が 50 A を超えるので 1.1 倍で、20 + 1.1 × 80 = 108 Aです。1.25 倍で計算すると 120 A になり、太すぎる電線を選びます。
許容電流とは
電線の許容電流は、同じ解釈の第146条第2項で決まります。600V ビニル絶縁電線などの絶縁電線の許容電流は、単線は146-1表、成形単線とより線は146-2表の値に、絶縁体の材料と周囲温度で決まる許容電流補正係数(146-3表の式)を掛けた値です。合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属線ぴに収めるときは、同じ管の中の電線の数で決まる電流減少係数(146-4表)をさらに掛けます。計算の画面の「幹線の電線の許容電流」には、この補正をした後の値を入力します。
ただし、遮断器の上限の 2.5 倍(第148条第1項第五号ただし書)に使う許容電流は、電流減少係数を掛けない値でよいとされています(第146条第2項第二号ロのただし書)。計算の画面は1つの許容電流を両方に使うので、減少係数を掛けた値を入力したときの 2.5 倍の上限は小さめ(安全側)です。
電線の太さは、許容電流のほかに電圧降下でも決まります。両方を満たす太い方を使います。