需要率で幹線の電流を直すときの決まりと、遮断器との関係です。
幹線の計算では、つながる負荷が全部同時に定格で動くとは限りません。電気設備の技術基準の解釈 第148条第1項第三号は、第二号の電流値を「需要率、力率等が明らかな場合には、これらによって適当に修正した値とすることができる」としています。
需要率で直す電流
計算の画面は、需要率を電動機等の定格電流の合計 IM と、他の電気使用機械器具の定格電流の合計 IH の両方に掛け、その値で第二号の決まりを当てます。1.25 倍と 1.1 倍の境(50 A)も、需要率を掛けた値で見ます。需要率は「詳しい設定」に入力します。空欄は 100 %(直さない)です。
例(電動機 12 A × 5 台・需要率 80 %)
第二種電気工事士の令和4年度上期の筆記試験(午前・問9)は、定格電流 12 A の電動機 5 台がつながる単相2線式の幹線で、需要率 80 % のときの、幹線の太さを決める根拠の電流の最小値を問うています。60 A × 0.8 = 48 Aは 50 A 以下なので 1.25 倍で、60 Aです(正答 60)。需要率を掛けずに 60 A のまま計算すると、50 A を超えるので 1.1 倍の 66 Aになります。
遮断器には掛けない
第三号が修正できるとしているのは「前号の規定における電流値」、つまり電線の許容電流を決める電流です。遮断器の上限(第五号)の「電動機等の定格電流の合計の3倍に、他の電気使用機械器具の定格電流の合計を加えた値」は、定格電流の合計のままです。上の例で許容電流が 60 Aの電線なら、3 × 60 = 180 Aが 2.5 × 60 A = 150 Aを超えるので、遮断器の上限は 150 Aです(ロ)。
力率で直すこと
第三号は力率による修正も認めていますが、計算の画面は需要率だけを扱います。力率の違う負荷(電動機と電熱器など)の電流を合計するときの直し方は、設計者が負荷ごとに確かめてください。
需要率は、負荷の使い方が分かっていて「明らか」なときに使う物です。分からないときは 100 % のまま計算します。