説明

ボイラー効率の計算式と計算例

ボイラー効率の計算式の記号の意味と、都市ガスのボイラーの計算例です。

ボイラー効率は、燃料が持ち込んだ熱(入熱)のうち、蒸気を作るのに使われた熱(出熱)の割合です。J-Net21(中小企業基盤整備機構)は、入熱を「燃料消費量 × 燃料の発熱量」、蒸気ボイラーの出熱を「実蒸発量 ×(蒸気の比エンタルピー − 給水の比エンタルピー)」と説明しています。

計算式

香川県の地球温暖化対策の指針の資料(3.1.9 ボイラー)は、ボイラーの点検記録から効率を計算する式として、次の式を挙げています。

ボイラー効率(%)= G ×(h″ − h′)÷(B × H)× 100 G: 実際蒸発量(kg/h・ある期間の合計なら kg) h″: 発生した蒸気の比エンタルピー(kJ/kg) h′: 給水の比エンタルピー(kJ/kg) B: 燃料消費量(L/h・m³N/h・kg/h) H: 燃料の低位発熱量(MJ/L・MJ/m³N・MJ/kg=×1000 で kJ)

G には、給水量からブロー量を差し引いた値を用いてもよいとされています。h′ は「温度[℃]と 4.186 の積でも簡易的に求められる」とされているので、このアプリは給水温度 × 4.186 で求めます。H は MJ で入力し、式の中で 1000 を掛けて kJ にそろえます。

計算例(都市ガス 13A の蒸気ボイラー)

環境省の CO2削減対策Navi(121131 ボイラーの運転圧力調整)の算定シートは、発生蒸気量 2,500 kg/h・飽和蒸気のエンタルピー 2,773.04 kJ/kg・給水温度 25 ℃・都市ガス 13A(低位発熱量 40.6 MJ/m³)・熱効率 88 % のボイラーで、蒸気を作るのに使われる燃料を 186.7 m³/h と求めています。この数を逆に式に入れると、ボイラー効率になります。

項目計算値
給水の比エンタルピー h′25 × 4.186104.65 kJ/kg
出熱2,500 ×(2,773.04 − 104.65)6,671.0 MJ/h
入熱186.7 × 40.67,580.0 MJ/h
ボイラー効率出熱 ÷ 入熱 × 10088.0 %

算定シートは給水のエンタルピーに蒸気表の 104.91 kJ/kg を使っていて、その値で計算すると 88.00 % です。簡易式(104.65 kJ/kg)との差は効率で 0.01 ポイントほどです。

1か月の合計でも計算できる

指針の G と B は「ある期間における」実蒸発量と燃料消費量です。運転日誌の1か月の合計で計算しても、同じ式で効率が求められます。例: ゲージ圧 0.7 MPa・給水温度 20 ℃ で、1か月の実際蒸発量 300,000 kg・A重油 25,000 L(低位発熱量 36.7 MJ/L)なら、ボイラー効率は 87.8 % です。計算の画面では「詳しい設定」の量の表し方を「期間の合計」にします。

指針は、確認する手段として、ボイラーの点検記録に基づき、ボイラー群全体とボイラー単体の効率が定期的に記録されていることを挙げています。毎月同じ方法で計算して並べると、効率が下がり始めた月が分かります。

効率が 100 % を超えたとき

まず入力の単位を確かめます。燃料消費量と低位発熱量の単位(L と MJ/L・m³N と MJ/m³N・kg と MJ/kg)、実際蒸発量と燃料消費量の期間(どちらも1時間か、どちらも同じ期間の合計か)を確かめます。

出典

ボイラー効率を計算する