計算方法の使い分け、曲げ角度の取り方、円周率、外寸と直線部についてです。
板厚・曲げ半径・曲げ角度か、外寸と伸び補正値から、曲げの展開長(mm)
中立面基準法と外側寸法加算法はどちらを使いますか
出典(アマダ 第3回)は、曲げ部の半径 R が小さい一般的な板金加工製品は外側寸法加算法で、R が板厚の5倍以上の曲げは中立面基準法で展開長を求めるとしています。中立面基準法は机上の計算で近似値のため、精度の高い製品は外側寸法加算法で計算する必要があります(第11回)。
外側寸法加算法には、その曲げの伸び補正値が要ります。伸び補正値が分からないときは、同じ材料・板厚・V幅で試し曲げをして求めます。
曲げ角度は内側の角度ですか
はい。式の Θ は、曲げた後の2つの面の内側の角度(製品の角度)です。円弧の中心角は 180 − Θ で、Θ が 90° なら 90°、120° なら 60°、60° なら 120° です。演習問題 8 の解答の「R部(60度)」は中心角 120° で計算しています。
曲げる量(板がどれだけ折れるか)で考えている場合は、180 からその角度を引いた数を入力します。
円周率は 3.14 で計算してよいですか
出典の演習問題は円周率を 3.14 とし、90°の式の 1.57 も 3.14 ÷ 2 です。演習問題 8 の展開長は、3.14 なら 170.71 mm、π(3.14159…)なら 170.73 mm で、違いは 0.02 mm です(R部ごとに小数第2位に四捨五入して合計)。計算の画面は π で計算し、「詳しい設定」で 3.14 に変えられます。
図面の寸法が外側寸法のときは、直線部をどう求めますか
中立面基準法の a・b は、円弧を除いた直線部の長さです。90°曲げなら、外側の面の延長が交わる角から円弧の始まりまでが R + t なので、直線部 a = 外側寸法 A −(R + t)です。
例えば外寸 50 × 50 の L 形を板厚 2.3 mm・内側の曲げ半径 15 mm で曲げるなら、直線部は 50 − (15 + 2.3) = 32.7 mm で、展開長は 32.7 + 25.37 + 32.7 = 90.77 mm です。
伸び補正値(伸び値)が分からないときは
伸び補正値は材質・板厚・V幅・曲げ角度で変わり、各工場で実際に曲げて求めた値を使うのが一般的です。資料の表の値は、ボトミングの 90°曲げの参考値です。
試し曲げをするときは、曲げる前の長さを測ってから曲げ、曲げた後の外側寸法を測って、伸び補正値の画面の「伸び補正値 α」で計算します。
曲げが3か所以上あるときは
外側寸法加算法なら、伸び補正値の画面で「+ 寸法を追加」で行を増やし、外側寸法を全部入力します。曲げ回数は外側寸法の数 − 1 です。ハット曲げ(曲げ4か所)なら外側寸法は5つです。
中立面基準法なら、曲げごとに曲げ部の長さ x を求め、直線部の合計に加えます(演習問題 8 の解答と同じ求め方)。
出典
- アマダ 板金加工の基礎講座Ⅱ 箱物展開 第3回 展開長の求め方: 外側寸法加算法と中立面基準法の使い分け・伸び補正値
- アマダ 板金加工の基礎講座Ⅱ 箱物展開 第11回 内側寸法加算法、中立面基準法: 中立面基準法は近似値・式の Θ・円周率 3.14
- アマダ 板金加工の基礎講座Ⅱ 箱物展開 第11回 演習問題 8(解答のページ): 演習問題 8 の解答
- アマダ 板金加工の基礎講座Ⅱ 箱物展開 第4回 平行曲げの展開長: 曲げ回数分の伸び補正値・ハット曲げ