R が板厚の5倍より小さい曲げは、板が薄くなり中立面が内側へ寄ります。
板厚・曲げ半径・曲げ角度か、外寸と伸び補正値から、曲げの展開長(mm)
中立面とは
パンチとダイで板を V 字に曲げると、内側(パンチ側)は縮み(圧縮ひずみ)、外側(ダイ側)は伸びます(引張りひずみ)。ひずみは板の表面がいちばん大きく、内部へ向かって小さくなり、中心の近くに圧縮も引張りもない面があると考えられます。この面が中立面で、その長さを展開長とするのが中立面基準法です。
R/t と板厚の減少率 t1/t の表
曲げ半径が板厚に比べて小さいと、板は伸ばされて薄くなり、中立面は内側へ寄ります。出典は板厚の減少率 t1/t を R/t の値で5つの区分に分けています。中立面は内側の面から t1 ÷ 2 の所で、表の右の列は板厚 t に対するその位置です。
| 区分 | R/t | t1/t | 中立面の位置 |
|---|---|---|---|
| A | 0.5未満 | 約0.4 | 0.2t |
| B | 0.5~1.5 | 0.6 | 0.3t |
| C | 1.5~3.0 | 0.66 | 0.33t |
| D | 3.0~5.0 | 0.8 | 0.4t |
| E | 5.0~ | 1.0 | 0.5t |
区分 A(R/t が 0.5未満)は、曲げた後の板厚 t1 が元の板厚の40%になります。区分 E(R/t が 5.0 以上)は板厚が変わらず、中立面は板厚の中心です。
表は境の値がどちらの区分に入るかを書いていません。計算の画面は、A が「0.5未満」で、中立面基準法ー1 が「R≧5t」であることに合わせて、境の値(0.5・1.5・3.0・5.0)を上の区分に入れています。例えば R/t がちょうど 1.5 なら区分 C(t1/t 0.66)です。
例: 板厚 1.2 mm・曲げ半径 1.5 mm
出典の例は、板厚 1.2 mm を曲げ半径 1.5 mm で曲げる場合です。R/t は 1.25 で区分 B に入り、t1/t は 0.6 です。曲げた所の板厚は 1.2 × 0.6 = 0.72 mm になり、中立面は内側の面から 0.36 mm の所まで寄ります。
この曲げを 90° とすると、曲げ部の長さ x は 2.92 mm です。中立面を板厚の中心(t1 = t)として計算すると 3.30 mm になり、0.38 mm 長くなります。
R を変えたときの曲げ部の長さ(板厚 2 mm・90°)
板厚 2 mm の 90°曲げで内側の曲げ半径 R を変えると、曲げ部の長さ x は次のとおりです(長さの単位は mm)。右の列は、中立面を板厚の中心として計算した長さ(比べるための数)です。
| R | R/t(区分) | t1/t | x | 中心で計算 |
|---|---|---|---|---|
| 0 | 0(A) | 約0.4 | 0.63 | 1.57 |
| 1 | 0.5(B) | 0.6 | 2.51 | 3.14 |
| 2 | 1(B) | 0.6 | 4.08 | 4.71 |
| 4 | 2(C) | 0.66 | 7.32 | 7.85 |
| 6 | 3(D) | 0.8 | 10.68 | 11.00 |
| 10 | 5(E) | 1.0 | 17.28 | 17.28 |
R が小さいほど中立面が内側へ寄り、板厚の中心で計算した長さとの差が大きくなります。R/t が 5 以上なら2つは同じです。
出典
- アマダ 板金加工の基礎講座Ⅱ 箱物展開 第11回 内側寸法加算法、中立面基準法: 中立面の考え方・R/t と t1/t の表・板厚 1.2 mm と曲げ半径 1.5 mm の例
板厚・曲げ半径・曲げ角度か、外寸と伸び補正値から、曲げの展開長(mm)