有効巻数は、総巻数から座巻数を引いた、コイルが動く部分の巻数です。
線径・中心径・巻数と材質から、ばね定数と荷重
有効巻数・座巻数・総巻数
三協スプリング製作所の「コイルばね設計方法」は、圧縮コイルばねの巻数を次のように数えるとしています。
- 有効巻数: コイルが動く部分の巻数です。ばね定数の式に使うのは、この巻数です。
- 座巻数: コイルが動かない部分の巻数です(同じ資料の図では両端に 1 巻ずつ)。
- 総巻数: 有効巻数と座巻数の合計です。
有効巻数 = 総巻数 − 座巻数
同じ資料の図の例は、有効巻数が 5 巻で、両端の座巻が 1 巻ずつなので、総巻数は 1 + 5 + 1 = 7 巻です。逆に、総巻数 7 巻・座巻数 2 巻のばねなら、有効巻数は 7 − 2 = 5 巻です。
有効巻数とばね定数
ばね定数は有効巻数に反比例します。線径 5 mm・中心径 25 mm のピアノ線のばねで、有効巻数だけを変えた値です。
| 有効巻数 | ばね定数 |
|---|---|
| 4 | 98.13 N/mm |
| 5 | 78.5 N/mm |
| 6 | 65.42 N/mm |
| 7 | 56.07 N/mm |
よくある間違いは、総巻数をそのまま有効巻数として入力することです。総巻数 7 巻(有効巻数 5 巻)のばねで 7 を入力すると、ばね定数は 56.07 N/mm になり、本来の 78.5 N/mm より約 29% 小さくなります。有効巻数は半端な数でも入力できます(5.5 巻なら 71.36 N/mm)。
寸法の名称と密着高さ
三協スプリング製作所の寸法の図は、圧縮コイルばねの各部を次の名前で呼んでいます。
- 線径: ばねに使う線の直径
- 外径・内径: コイルの外側と内側の直径
- 中心径: 線の中心を通る円の直径(スガワラの計算書の「コイル平均径」)
- 自由長: 荷重をかけていないときのばねの長さ
ばねを縮めていくと、やがて線と線が接して、それ以上は縮まなくなります。そのときの高さが密着高さで、同じ資料は次の式で示しています。
密着高さ = 線径 ×(総巻数 − 1)+ 先端の厚み × 2
たわみは、自由長から密着高さを引いた長さより大きくはなりません。このアプリは密着高さを計算しないので、入力するたわみがその範囲かは図面で確かめてください。
出典
- コイルばね設計方法(株式会社三協スプリング製作所)(このページで引いた所: 巻数の数え方・各寸法の名称の図・密着高さの式)
- 圧縮コイルばね計算書(株式会社スガワラ ばねの豆知識)(このページで引いた所: コイル平均径)
メーカーの技術資料からは、式と数と資料名だけを引いています。
線径・中心径・巻数と材質から、ばね定数と荷重