現場マスター

雨樋の計算

屋根の面積と降雨強度から雨の量を出し、軒樋と縦樋で排水できるかを見ます。

雨の量と軒樋・縦樋の排水能力

屋根と雨
受け持つ屋根

受け持つ屋根

受け持つ屋根は、落とし口(縦樋)1か所に雨水が集まる屋根の範囲です。真上から見た水平投影の面積で、屋根の勾配なりの面積ではありません。

落とし口が何か所かあるときは、1か所あたりの受け持ちがいちばん広い所で見ます。

屋根の奥行き

屋根を真上から見たときの、軒から棟の方への水平の奥行きです(積水化学の資料の「屋根水平奥行き」)。

軒の長さ

落とし口1か所が受け持つ軒の長さです。屋根投影面積は 奥行き × 軒の長さ です。

降雨強度

降雨強度は、短い時間の雨の量を1時間あたりに直した値(mm/h)です。10分間に 10 mm の雨なら 60 mm/h です。

積水化学の資料の基準は、住宅用の軒樋 100 mm/h・大型用の軒樋 180 mm/h・谷樋 240 mm/h です。パナソニックの資料は、地域ごとに 100〜160 mm/h を使います。

降雨強度の最終の設定は、設計監理者の判断によります。

大きな外壁に接する

大きな外壁に接した屋根は、外壁に当たった雨も受けます。外壁の面積(幅 × 屋根から上の高さ)の 50 % を、受け持つ屋根の面積に足します(積水化学の資料)。

軒樋
入れ方

入れ方

排水断面積と潤辺長は、メーカーの資料の値を入れます。

箱樋(底が平らで両側が立った形)は、幅と深さから 排水断面積 = 幅 × 深さ、潤辺長 = 幅 + 深さ × 2 で出します。

排水断面積

排水断面積は、軒樋の中で水が流れる部分の断面の面積です。前の縁が高い前高といは、低い方の縁までです。

積水化学の資料の m² の値は、10,000 倍して cm² にします(0.01149 m² は 114.9 cm²)。

潤辺長

潤辺長は、その断面で水に触れる軒樋の内側の長さ(底と両側)です。排水断面積 ÷ 潤辺長 が、式の平均流体深さ m です。

資料の m の値は、1,000 倍して mm にします(0.29285 m は 292.85 mm)。

深さ

軒樋の底から、水があふれる縁までの深さです。縦樋の排水能力の式(トリチェリーの式)の h に使います。

資料の m の値は、1,000 倍して mm にします(0.0884 m は 88.4 mm)。

水勾配

水勾配は、軒樋を落とし口へ向けて下げる割合です。1/300 は 3 m で 1 cm 下がります。

パナソニックの排水能力表は 5/1000 を標準にしています。積水化学の資料の計算例は 1/300 です。

縦樋
入れ方

入れ方

丸い縦樋は、内径から 排水断面積 = π × 内径² ÷ 4 で出します。

角い縦樋は、内のりの 幅 × 奥行き を排水断面積に入れます。

内径

縦樋の内側の直径です。

粗度係数 n=0.01

屋根・降雨強度・軒樋・縦樋を入れると、排水できるかを見ます。

詳しい設定

粗度係数 n

粗度係数 n

粗度係数 n(資料の「表面粗度係数」)は、軒樋の内側の面の粗さを表す数です。積水化学の資料にある値は、硬質ポリ塩化ビニルの軒樋の 0.01 です。

ほかの材料の軒樋は、メーカーの資料の値を「直接入れる」で入れます。

式と係数は、積水化学の資料「雨に対する設計のポイント(通常排水)」の値です。

計算の内訳