SN 材の Ceq の上限は鋼種で決まり、SN490B・C は板厚 40 mm を境に変わります。
ミルシートの化学成分から Ceq・Pcm と SN 材の上限の判定
上限の表
SN 材(JIS G 3136 建築構造用圧延鋼材)の Ceq と Pcm の上限(%)です。上限は中部鋼鈑の製品カタログ p.4 の表、厚さは日本製鉄の建設用資材ハンドブック 3-3 の適用厚さです。
| 鋼種(厚さ) | Ceq t≦40 | Ceq 40<t | Pcm |
|---|---|---|---|
| SN400A 6〜100 mm | ― | ― | ― |
| SN400B 6〜100 mm | 0.36 | 0.36 | 0.26 |
| SN400C 16〜100 mm | 0.36 | 0.36 | 0.26 |
| SN490B 6〜100 mm | 0.44 | 0.46 | 0.29 |
| SN490C 16〜100 mm | 0.44 | 0.46 | 0.29 |
SN490B・SN490C だけ、板厚 40 mm を超えると Ceq の上限が 0.44 % から 0.46 % に変わります。神戸製鋼の SN400B,C-LT・SN490B,C-LT(JIS G 3136 に合致した鋼材・板厚 40 mm まで)の化学成分の表も、Ceq の上限を 0.36 % と 0.44 % としています。
A・B・C の使い分け
日本製鉄の建設用資材ハンドブックは、SN 材の使用区分を次のように示しています。Ceq の規定があるのは B と C で、A にはありません。
- SN400A: 溶接のない、塑性変形を生じない部材または部位
- SN400B・SN490B: 主要構造部材または溶接する部材、部位
- SN400C・SN490C: 溶接組立加工時を含め板厚方向に大きな引張応力を受ける部材または部位
C 種には板厚方向の規定(耐ラメラティア)もあります。このアプリが比べるのは Ceq と Pcm だけで、C・Si・Mn・P・S の上限や機械的性質は比べません。
ミルシートで確かめるとき
中部鋼鈑の製品カタログの表の備考には「炭素当量又は、溶接割れ感受性組成の計算式に含まれる成分(Cu、Ni、Cr、Mo、V、B)はミルシートに記載する。」とあります。ミルシートの化学成分を計算の画面に入力し、鋼種と板厚を選ぶと、上限との比較が表示されます。
表は Ceq と Pcm の上限を並べて示しています。どちらの値で受け入れるかは、鋼材の注文の条件と JIS G 3136 の本文で確かめます。
計算した値とミルシートに記載された値を比べるときは、丸め方の違いに気をつけます。例: C 0.17・Si 0.24・Mn 1.56・V 0.001(ほかは 0) の Ceq は、表示が 0.440 %、丸める前は 0.440071… %、小数第2位に丸めると 0.44 % です。SN490B・板厚 40 mm の上限 0.44 % に対しては、丸める前と小数第2位とで判定が分かれるので、このアプリは「丸め方で判定が変わります」と表示します。JIS G 3136 の本文とミルシートの値で確かめます。
出典
- 中部鋼鈑 製品カタログ(JIS 規格品 p.4「建築構造用圧延鋼板(JIS G3136)」): p.4 の JIS G 3136 の表(Ceq・Pcm の上限)と備考
- 日本製鉄 建設用資材ハンドブック 3-3「建築構造用圧延鋼材 JIS G 3136 SN材」(2025年9月改訂版): 適用厚さ・Ceq の規定のある種類・使用区分
- 神戸製鋼所 SN400B,C-LT・SN490B,C-LT(建築構造用圧延鋼材 JIS G 3136 に合致した鋼材): 化学成分の表(Ceq の上限)
ミルシートの化学成分から Ceq・Pcm と SN 材の上限の判定