説明

炭素当量の計算式(JIS G 3136 の Ceq と IIW の式)

Ceq は、C に Si・Mn・Ni・Cr・Mo・V の量をそれぞれの数で割って加えた値です。

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ミルシートの化学成分から Ceq・Pcm と SN 材の上限の判定

JIS G 3136 の表の式

Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14

C・Si・Mn・Ni・Cr・Mo・V は鋼の化学成分(質量 %)で、Ceq も % で表します。中部鋼鈑の製品カタログ p.4 の「建築構造用圧延鋼板(JIS G3136)」の表の備考に書かれている式です。神戸製鋼の The ABC's of Arc Welding は、この式を、日本で炭素鋼と低合金鋼の焼入れ性の評価に一般に使われる式として挙げています。

防衛省規格 NDS G 3111D(艦船用超高張力鋼板)の 5.1.2 も、炭素当量(%)=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14 で計算すると定めています。項の並びが違うだけで、同じ式です。

同じ備考に、溶接割れ感受性組成の式 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B もあります(Pcm の話題で説明します)。

元素ごとの係数

式の中で、それぞれの元素の量に掛ける数です(1/24 は 24 で割ること)。「―」はその式に含まれない元素です。

元素記号CeqPcmIIW の式
炭素C111
けい素Si1/241/30―
マンガンMn1/61/201/6
銅Cu―1/201/15
ニッケルNi1/401/601/15
クロムCr1/51/201/5
モリブデンMo1/41/151/5
バナジウムV1/141/101/5
ほう素B―5―

同じ 0.1 % でも、Ceq に加わる値は元素で違います。0.1 % 当たりでは Mn 0.016667 %、Cr 0.02 %、Mo 0.025 %、V 0.007143 %、Si 0.004167 %、Ni 0.0025 % です。C は 0.1 % がそのまま 0.1 % です。

IIW の式

Ceq(IIW)=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5

神戸製鋼の The ABC's of Arc Welding は、国際溶接学会(IIW)が採る式としてこの式を挙げています。JIS G 3136 の表の式と比べると、Si を含まず、Cu を含み、Ni・Mo・V の係数も違います。同じ成分でも値が違うので、ミルシートや仕様書の Ceq がどちらの式の値かを確かめてから比べます。

例: C 0.12・Si 0.30・Mn 1.40・Cu 0.25・Ni 0.40・Cr 0.20・Mo 0.10・V 0.03・B 0.0010 の鋼では、JIS G 3136 の表の式で 0.443 %、IIW の式で 0.463 % です。

炭素当量が表すもの

神戸製鋼の The ABC's of Arc Welding によると、炭素鋼と低合金鋼のアーク溶接では、母材の熱影響部(HAZ)の硬化は、通常、溶接金属が急に冷えることでオーステナイトがマルテンサイトに変態して起こります。硬くなる程度は合金元素の量と冷却速度で決まり、成分の影響を評価するために経験的に作られたのが炭素当量(Ceq)です。

式の C と合金元素は、どれも質量 % です。

出典

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ミルシートの化学成分から Ceq・Pcm と SN 材の上限の判定