短絡電流の計算で迷いやすい所と、計算結果の扱いです。
単相3線式の変圧器は何 V で計算しますか
相を単相にして、外線間の 210 V を入力します。河村電器産業の技術資料の単3 の計算例も、外線間(210 V)の短絡電流を求めています。中性線と外線の間(105 V)の短絡電流は、計算の画面では求めません。
%インピーダンスが分かりません
メーカーのカタログの短絡インピーダンスの範囲を見ます。三菱電機の配電用油入変圧器(EX-α シリーズ)の三相 1000 kVA・50 Hz は 3.6〜6.0 % です。範囲の小さい方の値で計算すると、大きい方の短絡電流になります。
二次側が 6.6 kV の変圧器も計算できますか
同じ式です。二次電圧の欄には V で 6600 と入力します。66/6.6 kV・10,000 kVA・%Z 7.5 % の変圧器なら、定格電流 875 A、推定短絡電流 11.7 kAです(第三種電気主任技術者 令和5年度上期 電力 問16 の変圧器。電源側の %Z を加えると 10.9 kA)。
変圧器の一次側(受電点)の短絡電流は求められますか
求められません。変圧器の一次側の端子の短絡電流は、変圧器の %Z ではなく、受電点からみた電源側の %Z で決まります(第一種電気工事士 令和8年度下期 問8 の式 1000 ÷(√3 × V × Z)。短絡容量の計算の話題)。一次電圧(6600 V など)を二次電圧の欄に入力しても、受電点の短絡電流にはなりません。
電動機の寄与電流は含みますか
含みません。三菱電機の FAQ の式も「電動機の寄与電流は含みません」としています。電動機の多い回路では、実際の短絡電流がこの値より大きくなることがあります(%インピーダンス法の計算例の話題)。
定格電流がカタログの一覧と少し違います
三菱電機のカタログの定格電流一覧は、計算値の4桁目を四捨五入した有効数字3桁です。計算の画面の定格電流も有効数字3桁で表示し、「計算の内訳」に小数1桁の値を表示します。1000 kVA・210 V の三相なら、内訳は 2,749.3 A、表示は 2,750 Aです。
短絡電流は kA ですか、A ですか
大きく表示するのは kA(1 kA = 1000 A)で、遮断器のカタログの遮断容量と同じ単位です。「計算の内訳」には A で表示します。
二次電圧に 6.6 と入力すると計算結果が表示されません
二次電圧は V で入力します。6.6 kV は 6600 です。100 V より小さい値は、kV で入力した誤りとして計算しません。
計算結果の扱い
- 変圧器直下で、電源側・電線のインピーダンスと電動機の寄与電流を含めない推定短絡電流です。
- 遮断器の遮断容量は、この値以上の物を選びます。最終の判断は、設計者・監理者がメーカーの資料と工事の仕様書で確かめてください。